高齢者介護施設(ユニット型)の計画

■概要

戸建て住宅を中心とした住宅地に、地域に密着した高齢者介護施設を計画するものであります。

ユニットケアを行う3つのユニットからなる居住部門と 通いと短期間の宿泊などを組み合わせたサービスを行う居宅サービス部門で構成され、地域の高齢者へのサービスを提供するとともに、地域の人々との交流を図るものとする。

■建築物

地上3階建て耐火建築物

■敷地

第一種住居地域 準防火地域 建蔽率は80% 容積率は200%

■設備

給水方式は、受水槽と加圧給水ポンプ方式

EVは、寝台用と人荷用とそれぞれ1台設ける。

屋上に、空調室外機、キュービクル及び自家発発電機、ボイラーと給湯器。各室は、全熱交換器を設置する。

■敷地計画

駐車場は、平面駐車とし、車椅子使用者用として1台分、送迎用として1台分、サービス用として1台分のスペースを設ける。なお、職員、訪問介護、入居者の家族用の駐車場については、近隣の駐車場を利用する。敷地内の駐輪場は10台分を設ける。福祉車両など(車両の高さは最大2.8m)が利用する車寄せを設ける。なお、雨天時の乗降に配慮し、車寄せには屋根、庇を設ける。

 

■1階平面図

エントランスホール 事務室 面会ラウンジ(来客者が居住部門の入居者との面会に際して利用する。)

地域交流スペース(テラスを設け、認定こども園との合同イベントを行う)

会議室、医務室、相談室、ボイラー室、職員休憩室、受水槽室、ポンプ室、厨房、調理士室を設ける。

アラーム弁室。

■2階平面図

居宅サービス部門

居宅サービス玄関。宿泊室5室(各宿泊室には洗面台及び便所を設ける。テラス又はバルコニーを設ける。)

デイルーム(宿泊者、通所利用の高齢者が利用する。最大15名利用。食事スペース、機能訓練スペース、ラウンジ テラス バルコニー)

浴室(脱衣室、機械浴室、浴室をもうける)

スタッフルーム 職員用便所 訪問介護スタッフルーム

居住部門ユニットC

ユニット玄関(下足箱を設ける)

個室(1ユニットあたり9室を計画 各個室には洗面台及び便所 テラスバルコニー)

共同生活室(キッチンコーナー、食事スペース ラウンジ テラスバルコニー)

浴室(リフト浴 脱衣室)

 

■3階平面図

 

居住部門ユニットA及びB

ユニット玄関(下足箱を設ける)

個室(1ユニットあたり9室を計画 各個室には洗面台及び便所 テラスバルコニー)

共同生活室(キッチンコーナー、食事スペース ラウンジ テラスバルコニー)

浴室(リフト浴 脱衣室)

スタッフルーム、職員用便所

■断面図

■面積表

 

・居住部門の個室の計画において、入居の住みやすさ 介護のしやすさについて考慮したこと

入居のすみやすさ:個室をまとめた平面構成とし、共用部を区分することで、プライバシーを確保しやすい計画とした。各個室には十分な採光及び通風を確保できる開口部を設け、快適な室内環境となるように考慮した。洗面台等の設備仕様及びスイッチ類の高さは、車いすを考慮した設定とした。

介護のしやすさ:床材はクッションフロアを採用し、防汚性、耐水性、防滑性に配慮した。便所については、車椅子使用者の介護を考慮し、ゆとりのあるスペースを確保した。ベッド周りには車いすの回転スペース及び両側から介助できるスペースを確保した。

 

・居住部門及び居宅サービス部門のスタッフルームなど介護に必要な諸室の配置について考慮したこと

スタッフルームは2階及び3階ホールに面して配置し、利用者の出入りの管理が行える計画とするとともに、各フロアの中央に配置することで、効率の良いスタッフの動線となるように配慮した。汚物処理室及びリネン室についても、フロア中央に配置し、汚物の処理および入浴時の介護動線に配慮した。

 

・共同生活室及びデイルームについて、自然光を取り込みつつ、冷房時の負荷抑制を図るために建築計画について工夫したこと

共同生活室及びデイルームは、南側及び北側に配置し、開口部をおおきくとることで、自然光を取り込んだ快適な空間となるように配慮した。高気密、高断熱サッシ及び高性能断熱材を採用し、外皮性能を高めることで、外気負荷を低減する計画とした。南面の開口部には水平ルーバーを設置し、冷房時の日射負荷抑制を図る計画とした。

 

・建築物の構造計画について

建築物の耐震性能を詳細に評価できるルート3を採用し、架構形式や耐震壁の多少などにより必要な構造特性係数を設定し、それに応じた耐力及び靭性を確保する計画とした。

 

・車寄せの屋根、庇などとなる部分の計画について

長辺7m 短辺6m 厚さ900mm

構造計画に関して考慮したことは、車寄せの屋根はキャノピー型で計画し、建物本体と同じ鉄筋コンクリートのラーメン架構とすることで、地震時の安全性に配慮した。先端の柱は、500×500 大梁は400×700 基礎は独立基礎とし、屋根荷重のみを安全に支持するとともに経済性に配慮した。

 

・基礎について

直接基礎の中でも安全性の高いベタ基礎を採用した。GL-1.5m以深の砂礫層を安全な支持層と考え、基礎底面レベルはGL―2.0mとした。ベタ基礎下部の既存建築物撤去部分は、経済性に配慮して、地盤改良を行う計画とした。

 

・インフルエンザやノロウィルスの対策について

外調機によりインフルエンザ防止に必要な加湿を行うとともに、室内を正圧としウィルスの侵入を防ぐ計画とした。水栓などには人感センサー付きの非接触型機器を採用し、ノロウィルス対策とした。抗菌の内装材を採用し、ウィルスの不活性化を図った。

 

 

・採用した空調方式

空冷ヒートポンプパッケージ方式 天井カセット型

居住部門の個室や居宅サービス部門の宿泊室は、高齢者個々の体調にあった温度調整が必要であるとともに、共用部についても、一般的な天井高さであるため、個別制御が可能であり、共用部における居住域空調に十分な方式を採用した。

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