コミュニティセンター(図書館機能つき)の設計 その他 生涯学習センターの計画等
図書館機能のあるコミュニティセンター、市街地にたつコミュニティセンター、子育て支援機能のあるコミュニティセンター、生涯学習センターを設計しましたので、記載していくことにします。
その1 図書館機能のあるコミュニティセンター
■敷地 準住居地域(道路 隣地 斜線勾配は1.25)及び準防火地域 建蔽率70% 容積率 200%
本施設は図書館機能に加えて、集会機能、各種生涯学習が行える室等を設け、様々な世代の地域住民の交流や学習の場となるように計画します。また、地域住民が気軽に利用できる広場を設け、建築物とも一体的に利用できる、賑わいのある外部空間を計画します。
空調設備は 単一ダクト方式 給水設備は 水道直結増圧方式 電気設備は 屋内型とします。
1階平面図及び配置図
建築物と相互に機能を高めあう賑わいのあるオープンスペースを計画し、建築物へのアプローチとしても計画します。
駐車場は、地上に平面駐車とし、車椅子使用者用2台 サービス用1台設けます。駐輪場は30台設けます。
サービス用アプローチは利用者動線に交差しない計画としています。
一般開架閲覧室に、まとまった吹き抜けを設けています。図書作業室を設け、開架閲覧室との書籍の搬入動線に配慮しました。
児童閲覧室と新聞雑誌コーナー、カフェを設けました。一般開架閲覧室と児童閲覧室は、眺望に配慮した計画としています。
幹線は、電気室から1階の天井懐を横引きするため、1階にはEPSは不要です。
2階平面図
サービス用駐車場から備品庫 多目的ホールまでの搬入動線に配慮しました。
二階のホールを中心に地域活動支援スペースとサークル室、多目的ホール、サークル室を配置しました。
屈曲のないダクトルートとするため、空調機械室の直上にDSを計画しています。吹抜け廻りは防火防煙シャッターとし、特定防火設備にて対応しています。
3階平面図
屋上広場を地上の3階床レベルに設け、約200m2を確保しました。施設利用者の休憩、交流の場として利用する他、一部を屋外の工作スペースとして利用し、工作室の動線に配慮します。
3階ホールを中心に、工作室、美術室、調理実習室、音楽室、和室を配置しました。
音楽室は、窓を2重窓、壁を2重壁として、防音に配慮しています。
多目的ホール上部のPC梁を支える柱は、サイズアップして800角のものとしています。
断面図
屋上に単一ダクト方式の熱源機である空冷ヒートポンプチラーを設置しています。
面積表
延床面積は2940m2です。
・建築物のゾーニング計画について
様々な世代の地域住民にわかりやすい施設となるように、図書館部門、集会生涯学習部門内の集会施設、生涯学習施設を階ごとにまとめた階別ゾーニング計画とした。図書館部門は気軽に利用できるように1階に計画した。集会生涯学習施設は落ち着いた学習環境となるように他の動線と交錯しない3階に配置した。管理部門は敷地東側に配置し、搬入動線に配慮して、利用者動線と交差しない計画とした。
・オープンスペースの計画について
アプローチ空間としても利用するため北側道路に面して配置し、地域住民が容易にアクセスし利用できる計画とした。また間口を広くした空間とすることで地域住民に対して視認性を高めた。オープンスペースに面してカフェを計画し、賑わいのある外部空間の計画を行った。
・吹き抜けの計画について
吹抜けの般開架閲覧室内の南側公園に面した位置に計画し、室内が明るく広がりのある豊かな空間となるように考慮した。2階においては、2階ホールや地域活動支援スペースの休憩コーナーに面して計画することで、1,2階の一体感を演出するとともに2階の共用部が明るく広がりのある空間となるように考慮した。
- 建築物における自然採光
建築物は極力開口部を大きく計画することで各室の自然採光に配慮した。暗くなりがちな2階ホールについては吹き抜けに面するとともに3階ホールにはトップライトを計画することで十分な自然採光を確保した。建築物の南側には庇を、西側の開口部には鉛直ルーバーを設置し、日射遮蔽した。
- 吹き抜けの構造計画について
吹抜けは14×14mのスパン割に合わせた整形で計画し、周囲を大梁で構成することで片持ち部材を用いないシンプルな部材配置となるように配慮した。建物中央部の南側に配置したため、2階外周部のスラブに接しない大梁の梁幅を一般の大梁よりもサイズアップすることで2階の剛床性能が極力損なわれないように配慮した。
- 基礎の構造について
基礎構造は、地盤が良好であるため、直接基礎を採用した。基礎形式は、直接基礎の中で最も安定性が高く設備配管等のピットとしても利用できるべた基礎を採用した。べた基礎の基礎スラブは3階建ての建物総重量を安全に支持地盤に伝達できるように厚さ500mmで計画した。
- 多目的ホールにおける空調計画について
注意すべき点
天井が高いため、室内の温度勾配が大きくなり冬期は足元の温度が低く不快感を感じる。南面及び東面に2層分の開口部を計画したため、空調負荷が高いこと
対応策
吹き出し口はスロット型として、開口部に面する天井部分に多く計画することで、冬期におけるペリメーターゾーンの快適性に配慮した。吸い込み口はダクトスペースの壁面下部に設け、ショートサーキットを防止することで居住域の快適性に配慮した。
- 設備シャフトの計画について考慮したこと
PS
PSは水廻りに近接して配置し、横引き配管を極力少なくする計画とすることで、漏水対策を図る計画とした。
DS
DSは空調機械室の直上に立ち上げ合理的なダクトルートとすることで圧力損失の低減を図る計画とした。
EPS
2,3階において同位置に配置することで、屈曲のない合理的な幹線ルートとなるように計画した。
- 一般開架閲覧室の照明計画について考慮したこと
一般開架閲覧室の照明計画は、省エネルギーを考慮し、タスクアンビエント照明を採用した。室全体においては全般照明とし、照明器具を天井に均等に配置することで300ルクス程度の均一な照度を確保した。閲覧席及び書架上部には局所照明を併設し、特に閲覧席においては750ルクス程度の照度を確保した。
・屋上広場における断面の構造計画について
梁断面 スラブ位置 厚さ
床材 防水の納まり高さを考慮し、大梁スラブレベルは3FL-200mm、スラブ厚さは200mmとした。スパン中央部に小梁を1カ所計画し、たわみの抑制をおこなった。
防水
アスファルト防水処理上部に乾式床材を設置し、スラブで1/100以上確保した水勾配により排水する計画とした。出入口にグレーチングを設け、屋内に雨水が浸入しにくい計画とした。
その2 市街地にたつコミュニティセンター
■敷地
第一種住居地域 道路高さ制限 及び 隣地高さ制限は それぞれ1.25
建蔽率の限度は70% 容積率 200%
■建築物
地上3階建て耐火建築物
2700m2以上3100m2以下 延べ床面積
■概要
ある小都市の市街地において 図書部門と生涯学習部門とからなるコミュニティセンターを計画するものです。
図書部門は、地域の読書活動の拠点とし、市民が気軽に本にふれることができる場を提供することを目的としています。生涯学習部門は、地域住民を対象としたサークル活動などにより市民の自己啓発を支援することを目的としています。なお、共用部門の市民ホールは、多くのものが利用することを踏まえた計画としています。
■敷地計画
オープンスペースを 市民の休憩の場として計画します。建築物のアプローチ空間としても利用します。地上に設け、160m2以上のまとまったスペースとする。
屋上テラスを、日照に配慮し、施設利用者の休憩 交流の場とします。地上2階床レベル又は、地上3階床レベルに設けるものとし、150m2を確保します。
駐車場は、地上に平面駐車とし、車椅子利用者として1台、サービス用として1台、駐輪場は、施設利用者として、10台分とします。
■設備計画
空調設備、給排水衛生設備、電気設備、消火設備などを適切に設け、環境負荷低減に配慮します。空調設備は単一ダクト方式とし、給水設備は、水道直結増圧方式、電気設備は屋内型とします。
屋上設備スペース、1階ポンプ室、空調機械室、電気室を設けます。
■1階の計画
レストラン、ホワイエは公園の眺望に配慮しています。
エントランスホールには、1階から3階まで30m2以上の吹抜を設け、自然採光を確保します。
市民ホールは、天井高さは6m以上、辺長比は、1.5以下とし、無柱空間とします。各種イベント等多目的に利用できるものとしています。
■2階平面図
交流スペースは、公園の眺望に配慮しています。
生涯学習部門は2階にまとめています。集会室、和室、工作室、講師控室、給湯室、講師控室。
■3階平面図
一般開架閲覧室及び児童閲覧室は、直天井とせずに、天井を貼るものとし、天井高さは、3m以上とする。
図書部門を3階にまとめ、一般開架閲覧室、児童閲覧室、読書室、ブラウジングコーナーを設けます。図書作業室は、一般開架閲覧室への書籍の搬入経路は、利用者動線と交差しないような計画とします。
■断面図
■面積表
延床面積は3024m2となっています。
■計画上のポイント
- 市民ホールの計画について
市民ホールは多くの利用者が同時に利用することを想定し、利用者が来館時に上下階の移動がない1階に計画した。北側の公園に面して計画することで、快適な室内空間となるように配慮した。市民ホールのホワイエはエントランスホールに面して計画することで、利用者にとってわかりやすい動線計画となるように配慮した。
・一般開架閲覧室の計画(閲覧席の計画 図書作業室の動線等)について考慮したこと
一般開架閲覧室の閲覧席は、北側の公園に向けることで、安定した自然採光を確保するとともに、景観を取り込んだ静かで落ち着いた快適な読書スペースとなるように配慮した。図書作業室は、一般開架閲覧室に隣接して配置することで、職員の作業の効率を図った。サービス用エレベーターを確保することで、書籍などの搬入動線を確保した。
・エントランスホールの吹抜を活かした計画について
吹抜けは各階の共用部に面して計画することで、上下階が連続性のある一体的な空間となるように配慮した。エントランスホールの中央に配置し、3階南面に開口部を設けるととともに上部にトップライトを計画することで、各階の共用部が自然採光を確保した明るく快適な空間となるように配慮した。
・建築物のバリアフリー及びセキュリティに関して考慮したこと
バリアフリーに関しては、利用者が建物に安全にアプローチできるように、車いす使用者用駐車場を主出入り口に近接して配置した。車いす使用者及びオストメイト等に配慮して、多機能トイレを各階に配置した。
セキュリティに関しては、事務室の受付カウンターは、主出入り口に隣接して配置し、入退館の管理がしやすい計画とした。管理部門は西側にまとめて計画し、利用者ゾーンと明快に区分することでセキュリティに配慮した。
・スラブ及び小梁の架け方について考慮したこと
庇以外のスラブは、周囲を大梁及び小梁で囲う4辺固定スラブとし、スラブ荷重が安全に伝達されるように配慮した。一般開架閲覧室は、、書架による積載荷重が大きくなるため、小梁は7mスパンを3分割する位置に2箇所配置することで、スラブに対して局所に集中する書架荷重を分散できるように計画した。
・市民ホールの空調用吹き出し口の設置位置
市民ホールは気積が大きい空間であることから、スロット型の吹き出し口を天井面にバランスよく配置するとともに、吸込み口は床面近くに計画し、空調空気が下方まで十分到達する計画とすることで、居住域が快適な温熱環境になるように配慮した。
・一般開架閲覧室の照明計画
書架及び閲覧席には、タスクアンビエント照明を採用することで、省エネルギーに配慮した。閲覧席は局部照明とし、机上で750ルクス程度の読書に必要な照度を確保した。室内全体は全体照明とし、局部照明の1/3~1/10程度の照度を有するダウンライトを均等に配置することで、均一な照度を確保した。
その3 子育て支援機能のあるコミュニティデンター
子育て支援施設のあるコミュニティセンターを計画しました。
■計画の概要
こどもから高齢者まで、幅広い世代の地域住民が、交流や自己啓発等の障害学習活動を行うための機能に加えて、子育てに関する相談、情報提供、子供をもつ親同士の交流促進等の子育てを支援する機能をまかせ持つものとします。新たな地域コミュニティの形成に向けた住民参加による施設づくりを目指すものとし、幅広い世代の地域住民によるワークショップにおいて集約された要望事項を積極的に取り入れるものとします。
■敷地条件
第一種住居地域 準防火地域 建蔽率の限度は70% 容積率は200%
■設備
エレベーター1基 ポンプ室(1階)電気室(1階)
屋上設備スペース 大空間に空調機械室
■周辺施設等
2階にまとまったスペースで屋上庭園を設けます。
駐車場は平面駐車とし、車椅子使用者用として2台分、サービス用として1台分のスペースを設けます。駐輪場は、来客用として20台分を設けます。
■1階平面図
エントランスホールには3層の吹き抜けを設けました。子育て支援施設には、プレイルーム、託児室、育児相談室等をもうけました。ラウンジ、カフェ、コンセプトルームを設けました。ラウンジは公園への眺望に配慮した。
■2階平面図
二階は、ホールを中心にして、学習室、図書室、ホワイエ付きの天井高さ6mの交流ホールを設けた。屋上庭園も南側に設置している。
■3階平面図
ホールを中心に、サークル室A,Bと休憩コーナーを設けた。
■断面図
■面積表
(1)計画において工夫したこと
・敷地外周部は積極的に緑化することで緑豊かな街並みを形成した。
・敷地外周部に余裕のあるスペースを確保することで、敷地の周辺に圧迫感のないようにした。
・駐車場出入口は横断歩道から極力離すことで、周辺歩行者の安全性に配慮した。
・子育て支援施設は1階に計画し、エントランスホールからわかりやすい位置に出入口を設けることで利用のしやすさに配慮した。
・カフェは外部からも直接アプローチできる出入口を設け、単独利用にも配慮した。
・交流ホールは南側に間口を広く計画し、日照と公園の景観に配慮した。
・地被植物や野草低木を植栽することで緑豊かな計画とした。
・施設利用者が休憩などに利用できる計画とするとともに、図書室に面した部分を読書テラスとして利用できるように配慮した。
・南側に間口を広く計画することで明るく快適な計画とした。
・1階のエントランスホールに面した位置に配置し、気軽に立ち寄れる計画とすることで地域住民の利用の促進を図った。
・住民参加型のイベントや小学生の絵画発表を行える地域活動スペースとして計画し、地域の活性化が図れるように考慮した。
(2)各部門のゾーニングについて考慮したこと
図書部門は2階、生涯学習部門は3階にそれぞれまとめた階別ゾーニングとすることでわかりやすく利用しやすい計画とした。交流ホール関連以外の共用部門の各室は1階に計画し、利用のしやすさに配慮した。管理部門は建物西側にまとめて計画することで利用者ゾーンと明確に区分した。
(3)エントランスホールの計画について
エントランスホールは建物中央に配置し、動線の基点となるように配慮するとともにゆとりあるスペースを確保することで各室へアクセスしやすい計画とした。吹抜けは北側の外部に面して設けるとともに2,3階ホールに面することで、自然光を確保し、各階の共用部が明るく開放的な空間になるように配慮した。
(4)電気室の維持管理及び機器の更新について
電気室は1階の管理部門内に計画し、定期的な点検が行いやすい計画とした。サービス用駐車場に近接した位置に計画するとともに、西側道路に面して両開きの扉を設けて、前面に十分なメンテナンススペースを計画することで機器の更新が行いやすいように配慮した。
(5)公園への眺望や自然採光を確保しつつ、冷暖房時の負荷抑制を図るために建築計画において工夫したこと
南側には積極的に開口部を設け、公園の眺望や自然採光を取り込む計画とするとともに開口部上部には庇を設け、冷房時の日射負荷低減を図った。開口部には高気密、高断熱サッシを採用するとともに、ガラスにはLOWE複層ガラスを採用し、外皮性能を高めることで、暖房時の負荷抑制を図った。
その4 生涯学習センターの計画
生涯学習センターの計画を行いました。
設備に注意して設計をおこなっています。
■敷地
準住居地域 道路高さ制限 及び 隣地高さ制限は それぞれ1.25
建蔽率の限度は70% 容積率 200%
■建築物
地上3階建て 耐火建築物
2600m2以上3000m2以下 延べ床面積
■概要
ある地方都市の市街地にある公園に隣接する敷地内において、生涯学習センターを計画するものです。本施設は、地域の情報を発信する機能をはじめ、文化、教養活動を行う機能をもつものとし、地域の住民が親しみやすく、文化活動を通じた交流の場となるように計画します。また、建築物との一体的な利用に配慮した広場をもうけ、緑豊かで快適な外部空間を計画することが特に求められています。
■敷地計画
屋上テラスを、3階の床レベルに設けます。まとまったスペースで150m2以上。
コミュニティガーデンを地上にまとまったスペースとして200m2以上設けます。
情報交流スペースの談話コーナー及び展示ギャラリーから利用できるものとします。
駐車場は、地上に平面駐車とし、車椅子利用者として2台、サービス用として1台とします。
駐輪場は、来館者用として30台分を設けます。
■設備計画
空調設備、給排水衛生設備、電気設備、消火設備などを適切に設け、環境負荷低減に配慮します。空調設備は、単一ダクト方式とします。給水設備は、水道直結増圧方式、電気設備は屋内型とします。屋上設備スペース、1階ポンプ室、空調機械室、電気室を設けます。
エレベーターは1台を設けます。
1階平面図
情報交流スペースを設け、地域住民の市民活動やイベント情報の発信を行います。60人程度が利用できるレストランを設け、厨房を隣接させます。2階アトリエで作成した作品を展示できる展示ギャラリーを設けます。レストラン、情報交流スペース、展示ギャラリーには、外部出入り口を設け、コミュニティガーデンと一体的に利用できる計画とします。
2階平面図
アトリエを設け、市民が参加するものつくり講座などを行います。天井高さは3m以上とします。その他、図書室、視聴覚室、音楽室、和室、休憩ラウンジをもうけます。音楽室は、2重壁、2重サッシとし、防音に配慮した構造とします。
3階平面図
多目的ホールを3階に設け、講演会催し物等多目的に利用します。天井高さは5m以上で、無柱空間とします。その他ホワイエ、サークル室、会議室を設けます。屋上テラスが3階に設置してあります。
断面図
面積表
(1)建築物の空調負荷低減について 建築計画と設備計画に関して
- 建築計画
・ルーバー
開口部には南面に水平ルーバー、西面に鉛直ルーバーを計画することで日射の遮蔽を行い熱負荷の抑制を図る。
・高性能断熱材
建築物の外壁の断熱効果をあげ、外部からの熱伝達を減少させることで、空調負荷の低減をはかる
・開口部の計画
居室及び共用部には開口部をもうけるとともに室内の間仕切りには欄間をもうけ、中間期の自然通風を確保し、空調負荷の低減をはかる。
設備計画
・アースチューブ
単一ダクト方式の空調機に地下の恒温性を利用した外気を導入し、空調負荷の低減をはかる。
・太陽熱集熱パネル
太陽熱集熱パネルを熱源としたパネルヒーティングを補助暖房として採用することで、冬期における空調負荷の低減を図る
・空冷ヒートポンプ方式
単一ダクト方式の熱源は 空気を熱源とする熱効率の高い空冷ヒートポンプ方式とすることで省エネルギーに配慮した。
(2)
建築物の排水計画
建築物内の排水は汚水と雑排水を別系統とする分流式とし、衛生面及び維持管理に配慮した。1階部分と2階以上の階で排水系統を分けて計画し、1階での逆流防止をはかった。便所 洗面などの水廻りはできるだけ集約し、横引き配管を短くすることで漏水防止を図った。レストランの厨房からの排水には、油やゴミを分離するグリーストラップを設置し、配管のつまり防止に配慮した。
(3)空調設備機器について
屋内(空調機)
空調機械室はゆとりある広さを確保するとともに管理ゾーン内に計画することで作業しやすく安全に維持管理が行える計画とした。道路に面して外部出入口を設け、機器の更新がしやすい計画とした。
屋外(熱源設備)
空冷ヒートポンプチラーユニットは塔屋に近接した道路側に設置し、周囲に十分なスペースを確保することで維持管理及び機器の更新がしやすい計画とした。
(4)受変電設備機器について
管理ゾーン内に電気室を計画するとともに、機器の周辺には十分なスペースを確保することで、維持管理のしやすさに配慮した。道路に面した外部出入口をもうけ、機器の更新がしやすい計画とした。
- 設備シャフトの計画について考慮したこと
PS
PSは水廻りに近接して配置し、横引き配管が少なくなる計画とすることで、漏水防止を図った。
DS
DSは空調機械室の直上に立ち上げ、屈曲部を少なくし、合理的なダクトルートとすることで、圧力損失の低減を行った。
EPS
EPSは各階同位置に配置し、合理的な幹線ルートとするとともに廊下に面して計画し、点検が行いやすいように配慮した。