地域交流センターのある保育所

 

地域交流センターのある保育所を計画しましたので、記述致します。

当社 保育園の 実例はこちらです。

神戸市のこども園・保育園・幼稚園施設の設計 | 高橋建築事務所 (report-takahashi.com)

■敷地

第二種中高層住居専用地域 道路高さ制限 及び 隣地高さ制限は それぞれ1.25

建蔽率の限度は70%  容積率 200%

準防火地域

■建築物

地上3階建て耐火建築物

2000m2以上2500m2以下 延べ床面積

 

 

 

 

 

 

 

■概要

ある中核都市の集合住宅が立ち並ぶ市街地において、保育所のある交流センターを計画しています。

本施設は、一人一人の子供が健やかに成長できる保育所と、地域の情報発信、交流及び健康増進の拠点となる地域交流センターを設けるものとする。保育所においては、子供たちが明るく快適な空間の中で心身ともに健やかに成長できる場となるように日照に配慮した計画とするとともに、地域交流センターについては、地域住民が気軽に利用できる場とすることで、地域の活性化に寄与するものとする。

■敷地計画

 

屋外遊技場は、保育所部門の乳幼児が使用するものとして、敷地内の地上に計画する。プレイルームと一体的な利用ができるように直接行き来できる計画とする。遊具、手、足洗い場等を含むまとまったスペースとして200m2以上を確保し、豊かな自然環境の中で子供たちが楽しく遊ぶことができるように配慮するとともに、日射遮蔽効果のある樹木を植樹する。また、セキュリティを確保したうえで、隣接する公園へ直接出入りできるようにする。駐車場は、車いす使用者用として2台、サービス用として1台を設けます。駐輪場は、20台設けます。

 

■設備計画

空調設備、給排水衛生設備、電気設備、消火設備などを適切に設け、環境負荷低減に配慮します。空調設備は空冷ヒートポンプパッケージ方式とし、給水設備は、水道直結増圧方式、電気設備は屋内型受変電設備。

 

■1階平面図

 

保育所部門はすべて1階に設けます。

保育所の入所定員は50人、受け入れ対象は0-5歳児とし、保育士数は10人とします。エントランスホールから保育所玄関を経由してアクセスできるようにします。乳児室、ほふく室、保育室、プレイルームは、日照に配慮し、明るく快適な空間とする。各室は上履きで利用する計画とします。

ほふく室、乳児室20m2以上

保育室 40m2以上 4室

プレイルーム 150m2以上

屋外遊技場に直接出入りできる計画とする。無柱空間とし、天井の高さは4m以上とします。

専用の器具庫をもうけます。

調理室、幼児用便所、受付コーナー(保育所部門の受付)

保育士室、幼児用便所、保育所玄関を設けます。

エントランスホールには3階まで吹き抜けをもうけます。

地域住民が気軽に交流できる地域活動カフェを設けます。

■2階平面図

地域交流ホールをもうけ、地域のこどもから高齢者まで集う交流会や親睦会の他、地域活動の発表会などに使用します。

地域交流用のホワイエをもうけ、公園が眺められるようにします。

集会室、情報展示スペース、を設けます。

 

 

■3階平面図

 

 

健康増進室、調理実習室談話コーナーを設けます。

 

■断面図

 

プレイルームを含み、東西方向を切断した断面図としています。

■面積表

 

延べ床面積は 2430m2となっています。

■計画におけるポイント

・保育所部門及び屋外遊技場におけるセキュリティについて考慮したこと

保育所部門の受付コーナーでは、保育所玄関に隣接して配置することで、保育所部門利用者の出入りを管理しやすい計画とした。屋外遊技場は、保育士の目が届くように見通しの良い整形な形状とした。屋外遊技場の周囲には高さ1.8mのフェンスを設けるとともに、公園出入り口の扉には電気錠を設置することで、防犯に配慮した。

 

・屋外遊技場の計画について考慮したこと

樹木

屋外遊技場には、主に落葉樹を配置し、夏季には日射を遮蔽するとともに、冬季には日照を確保することで、子供たちが快適に遊べる外部空間とした。子供たちが5感で楽しめる樹木を配置した。

遊具

遊具は、子供たちが多目的に使用するプレイルームに近接した位置に配置することで子供たちの利用のしやすさに配慮するとともに、まとめて配置することで保育士が管理しやすい計画とした。

 

手洗い場

手洗い場は 保育所玄関からの出入り口及びプレイルームからの出入り口に近接して配置することで、屋内との行き来において、手や足を洗う行為が機能的に行えるようにした。

 

・プレイルームの断面計画について

プレイルームは天井高さを6m確保するとともに、屋根梁下にダクトルートを確保するため天井懐を2m、階高さを8mにて計画した。10mスパンで計画したため、屋根梁は鉄筋コンクリート造とし、梁せいを1mとすることでたわみ ひび割れの抑制を図った。プレイルームの屋根スラブは3階床スラブとレベルを合わせることで、架構の安定性に配慮した。

 

・基礎の構造形式について

3階建てとなる部分にはベタ基礎を採用し、平屋となる建物西側には、布基礎を採用することで、柱軸力に対応した基礎形式とした。一部に布基礎を採用し、排出残土量を減らすことで経済性にも配慮した。N値30以上の砂礫層を支持地盤と考え、基礎の根入れ深さをGL-2.0mとした。敷地西側の埋め戻し部分は、経済性及び安全性を考慮してGL-4.5mまで地盤改良を行う計画とした。

 

・敷地及び周辺条件の風環境を踏まえ省エネルギーの観点から考慮したこと

卓越風を建物に積極的に取り込むため、建物南側及び北側の開口部は開閉式とした。保育室などの廊下に面する間仕切り壁には欄間を設けるとともに、エントランスホール吹抜け上部には界壁式のトップライトを設け、中間期において自然通風、自然換気を行うことで、空調エネルギーの削減を図った。

 

・保育室及び地域交流ホールについて設備計画上考慮したこと

保育室

各室の利用状況に応じて室ごとに個別制御が可能な天井カセット型を採用した。換気設備には全熱交換器を採用することで、換気に伴う室内の温熱環境の変動を抑制するとともに省エネルギーに配慮した。補助暖房として電気式の床暖房を設置し、居住域の快適性に配慮した。

 

地域交流ホール

吹き出し口を天井面に設け、吸込み口を隣接する空調機械室の壁面下部にもむけることで、ショートサーキットを防ぎ、居住域が快適となるように配慮した。吹き出し口にはスロット型を採用し、開口部に沿って多く配置することでペリメーターゾーンの外気負荷を抑制する計画とした。

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