耐震診断・改修に関する講習会  神戸市 すまいるネット 2020年

こうべまちづくり会館2階 2階ホールにて、神戸市耐震診断員の講習会にでておりました。

■講習会の内容
講演「耐震診断・耐震設計・耐震工事の留意点」
講師 佐久間 順三 様(有限会社設計工房佐久間 顧問)
▶「木造住宅の耐震診断と補強方法」委員 日本建築防災協会
▶「震災建築物の被災度区分判定基準および復旧技術指針」委員 日本建築防災協会
▶「災害に係る住家の被害認定基準運用指針」委員 内閣府

基礎的なことを中心に、しっかりと教えて頂きました。

■耐震補強の概要説明

①建物倒壊のメカニズムとしては、変形が大きくなると柱が傾き重量をささえきれなくなり倒壊する。

耐力要素として大きいのは、壁であるが、壁の何が重要であるかというと

構造用合板にさしているN50の釘が重要である。釘の踏ん張りにより、建物は倒壊しなくなるということ。

②どれだけ、壁を補強しても、土台等がしろありにやられていれば、意味がなくなる。

また、直下率といって、2階の壁の真下に 1階の壁が存在する割合を示す 指標が存在しているが、以前NHKのテレビ番組で

直下率が高ければ建物は倒壊しにくいという発言がみられたが、これは、関係ないそうです。京都大学の耐震の先生が、直下率は関係ないということを論文で実証しているそうです。

しかしながら、2階の壁と1階の壁がずれている場合は、床を構造用合板をはり、しっかりと、水平構面を固めて、2階の荷重が1階へながれる仕組みを作ることが重要です。

1階に下屋がある建物が多くみられますが、下屋の部分の壁のみを補強しても意味がありません。下屋の天井をしっかりと補強して、2階の荷重が1階の壁に流れなければなりません。

このような下屋の天井を補強していないで、壊れる状況は、Eディフェンスの、国の実験で実証されています。

➂熊本地震の状況を、実際に現地にいかれて、どのような状態であったのか確認された知見を述べられていました。

2016.4.14 震度7 M6.5 の第一波地震
2016.4.16 震度7 M7.3 の第二波地震 これは第一波の地震の32倍の力であり、阪神大震災の1.2倍の威力の地震であった。

熊本地震の被害は、死者50人であり、神戸の地震に比べて、被害は抑えられたが、これは第1波が来た時に、住人が家から避難場所へ逃げていたことによるものが大きい。

実際につぶれなかった家を2つ、現地確認して、建物の図面をとりよせて、耐震診断をおこなったところ
評点が1.4 以上の建物は被害が存在していなかった。

評点が1.4以上の住宅を設計していけば、M7.3に耐えられる建物にあるという 一つの指標なのかもしれない。

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