神戸市北区耐震診断と構造補強 古民家

神戸市北区の伝統的な構法でつくられた木造建築物の耐震診断と構造補強計画とたてていました。

瓦屋根 延べ床面積は200m2ほどあります。

一階平面図です。8畳の間と6畳の間がありますが、その部分が壁が極端に少なく南側に開放的になっているプランです。食堂は北側にあり、昔ながらの接客を重視した間取りと言えるかと思います。玄関や8畳の間と6畳の間ともに床がふかふかしており、一階床の状況は良くないです。

南側が開放的なプランになっていますので、極端に壁が少ないことが写真からわかるかと思います。

 

 

二階部分です。ほぼ正方形の綺麗な形を二階はしています。

劣化事象としては、基礎の開口部廻りのクラックが数カ所見受けられました。

浴室はタイル張りであり、タイルの割れが存在していました。

さて、耐震診断を行いました。

 

 

北西側から見た倒壊の様子です。南西側に倒壊していきます。

 

北東側から見た建物の地震時の倒壊の様子です。開口部の多い南西側に倒壊する様子がわかると思います。

診断結果は、評点が4分割法で0.15程度、偏心率法で0.45となっています。さて、二階がどのように一階にのっているのかを考えてみましょう。

一階部分に二階がどのようにのっているのかがわかるようにしています。バツの所が二階です。

これをみると応接間と食堂のところにはりがとんでいて、本来的には、梁が交差する部分の下には

柱が存在していたほうが良いことがわかるかと思います。

 

 

応接間の想定される架構の状況です。下に柱がないので不安定であることが予想されます。

下部に柱が欲しいところです。上部の架構計画を行うために 天井をはがして、現状がどのような架構になっているのかを確認する必要があります。

 

 

食堂の架構です。こちらは、応接間よりも梁がとんでいるため、応接間よりも危ない状況であるということがわかるかと思います。

柱が存在していたほうが良い場所に、赤でラインを引いています。しかし、こんなところに柱が存在していたら、邪魔であることも確かです。こちらも 天井をはがして状況を確認する必要があります。

南側の8畳と6畳の間の架構計画です。

ただ、先ほどの倒壊の様子を見ても、南側の8畳と6畳の間が開放的すぎて、壁が少ないために

倒壊するという要因がこの建物では一番大きいかと思います。

一階平面図の偏心の様子を表しています。二重丸がストライクゾーンに近ければ近いほど

壁のバランスが保たれて安定しているものと言えます。

さて、補強計画を立案します。

基本的に、ダイニング部分はやりかえると住みながら、工事ができないために食堂改修はやめます。

浴室はやり替える予定のため、浴室をまずは補強します。それで、あとは、押入部分等を補強していき、そのあと、応接間や北側和室の補強を検討します。

緑の部分が補強している箇所です。全体的にバランスが良く、南側の開口部になるべく壁を設けない方向で

補強の計画を立てます。これで評点は1.03です。

できれば、評点はもう少し欲しいところですが、予算との兼ね合いでどこまで補強するのかも重要なポイントです。

南側の開口部の隅を補強する計画を立ててみましたが、評点にはあまり影響しませんが、北側の和室の壁は少なくできています。南側の壁の補強は少し行うぐらいでは 大きく評点が変わらないことがわかります。

さて、計画は、費用や建物の使い方を考慮して検討します。

この建物の場合は、応接間と食堂に二階が載っていないため、架構計画に十分注意して、二階の荷重が1階の壁に綺麗に流れる力の構造を作ってあげる必要があります。

ただし、もっとも弱いのは、南側の開放的な間取りであり、それを解消するために、偏心率を考慮した全体の設計を行っていくことが重要であるといえます。

 

つづく。

 

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