木造住宅にかかる横方向の力の流れ(木構造講座④)
一般的な構造設計では,水平荷重として地震力と風圧力を検討する。地震力は地面が揺れるのだから本来は下から上に力が流れるのだが、便宜的に地面の移動を0として,上部構造に水平力が作用しているものとして検討する。
水平力は,おおまかにいえば床面から耐力壁へ伝達される。そのため、床面が柔らかく歪んだりしていては,耐力壁までスムーズに力が流れない。よって、床面はしっかり固めておく必要性がある。
①小屋廻りの力の流れ
屋根面に作用する水平力は,野地板→垂木 母屋 棟木 桁梁→小屋筋違→2階耐力壁
小屋廻りに作用する水平力に関しては,2階の耐力壁が抵抗する。小屋組みの内部には小屋筋違などの耐力壁を設けておき,屋根面に生じた水平力を2階の耐力壁に伝達できるようにしておく。
②2階床 1階床廻りの力の流れ
2階の床面に生じた水平力に抵抗するのは,1階の耐力壁である。よって,2階の床に作用する水平力は,床板→根太→小梁 →1階耐力壁へと流れていく。
1階の耐力壁が負担した力は,土台を伝わって基礎 地盤へと流れる。その他,1階の耐力壁には2階の耐力壁が負担した水平力も伝達される。この時、1階と2階の耐力壁の位置がずれていると,二階の耐力壁は負担した力は、いったん2階の床面を介して1階の耐力壁に移動することになる。従って、2階の床面は,大きな水平力を伝達できるように固めておく必要性がある。
1階の床面に生じた水平力は,床面→根太→大引き→土台→基礎→地盤へと流れていく。
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