住宅の構造補強(木造 鉄筋コンクリート造 鉄骨造 実例総括)
現在まで数多くの 構造補強事例が存在しておりますので、総括して、記載することにしました。
空き家も、通常の住宅も 基本的には、構造の補強方法に違いはありません。
Contents
■耐震診断について
お問い合わせがあり、現地調査を行い、耐震診断を行います。
図面作成して、構造計算を行い、構造的に弱い箇所や劣化している部分を確認します。
また、補強カ所をある程度検討して、お客様に提示します。
その後、予算や、今後の使い方等のプランニング上の具合を検証し、補強カ所や目標評点を決めていきます。
目標評点は1.0以上がおおいですが、1.2を目安にしたいと思います。
ハウスメーカーの現在の新築の建物は、1.5以上の評点があるものと考えてください。
■現地調査
現地に調査に向かいます。
小屋組みの状況を確認します。火打ちの存在の有無や筋交いの有無、壁が土壁であるかどうかなどを確認していきます。
室内壁の下に基礎の存在の有無や床下の換気が十分なされているのか等の確認を行います。
断熱材が床下に存在していなければ、寒い住居と言えるかと思います。
建物の劣化状況の確認もします。基礎にクラックが存在。その他、屋根、外壁のクラックなど。
■耐震診断
耐震診断を行います。評点がとても低いことがわかりました。
■補強計画の立案
補強を検討して、お客様に提示します。
■耐震工事について
その後、工事に入ります。
①使用する金物
工事に関しては使う材料である、釘、金物、合板等をしっかりと確認します。
②壁の耐震工事中の状況
既存の壁を撤去して、柱脚と柱頭に金物をしっかり入れ、筋交いを入れている状況です。
金物をいれて、上から構造用合板をはることで、構造壁としてしっかりとしたものができあがります。
筋交いの金物と柱の金物は別物ですので注意する必要性があります。
②床の耐震工事中の状況
床の劣化が激しく、床の構面を、根太を細かいピッチで入れ補強している状況です。
③白蟻駆除工事
床部分は、白蟻の被害にあう可能性があるため、薬剤注入の工事をしています。
④金物敷設状況
二階部分は金物の工事だけでも、補強できる場合があるため、土壁を除去して、金物を敷設して、壁を復旧します。
⑤基礎の設置状況1
一階部分に新たに壁を新設する場合等に基礎も新設する必要性があります。
鉄筋を組み、コンクリートを打設して基礎を作ります。
⑤基礎の設置状況2
基礎と基礎の上にのる土台とは、アンカーボルトでしっかりと緊結されている必要があります。
基礎の鉄筋組の様子です。
コンクリート打設後です。
⑤基礎の設置状況3
既存の基礎が無筋コンクリートの場合は、鉄筋コンクリートの基礎を横から増し打ちして打設することがあります。
⑥間取り改修の耐震工事(壁を取り払い室を一体化)
平面的な改変に伴い(間仕切りを取り払って一室空間にするなど)必要な工事について記載します。
壁を取り払い、台所と和室をつなげて、一体的な空間として使いたいとの要望がありました。
実際には二階が存在する梁を柱がしっかりと支えています。
この場合は、二階をジャッキアップして、一時的に支え、上部梁に下の梁を抱かせることで対応します。
梁のサイズは、材種と柱間を検証して決定します。
柱と梁は金物で緊結します。
上の梁と下の梁は、合板を貼り合わせ一体的に動くようにします。
⑦柱の補強
食害にあっている柱が存在していました。
途中を切断してボルトで、新設柱を抱かせてボルトを貫通させることで、構造補強を行います。
柱1本で二階の床荷重を支えている柱が存在したために、新設柱を抱合せ構造補強を行いました。
⑧梁の補強
二階の梁が垂れ下がってきているものが存在していました。
梁にかかる梁をジャッキアップしてかませものを入れることで、床を上げていきます。
⑨スケルトンリフォーム 耐震工事
構造補強する建物はスケルトンにしています。
梁伏せ図です。間取りの改変に従い、壁を新設して、梁を補強したりする必要性がありました。
基礎も新たな壁の出現に伴い敷設します。
梁は丸太である場合が多く、この場合は、構造計算をすることはできませんので、新設梁を確保していきます。
柱間と材種により梁のサイズを決定していきます。
梁を抱かせて施工しています。
構造用合板を内外部に貼れば、構造体としてできあがります。
■鉄骨造の耐震補強
こちらの建物は旧耐震であるため、耐震補強を検討しましたが、横からバットレス等組んで補強する方法が存在しますが、隣地が迫っており、物理的に不可能だということで、断念しました。基本的には鉄骨造の耐震補強は、相当量の労力と時間が必要な作業であると思われます。
■鉄筋コンクリート造の耐震補強
鉄筋を組んで、鉄筋の種類とサイズ、組み方を確認します。
写真はスパイラル筋という、鉄筋です。
型枠を組み、上からコンクリートを流し込みます。
型枠の状況です。
コンクリートポンプ車です。
流し込んでいる時に上からたたいてコンクリートがまんべんなく型枠内に回るようにします。
良いコンクリートが出来上がりました。
個別の事例も当サイトに載せていますので、閲覧くださればと思います。
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