東京たてもの園見学記➀(古民家編)

以前、東京に行った際に、訪れた東京たてもの園の中の建物の解説をしていこうと思います。

中でも昭和の住宅の傑作と言われる前川國男邸の解説もしていきます。

江戸東京たてもの園は、東京都内において現地での保存が不可能となった文化的価値の高い歴史的建造物を移築し、復元、保存、展示している東京都が設置した野外博物館であり、平成5年につくられました。現在、30棟の建物を移築し、外観は可能な限り創建時に近い状態に復元し、室内は建物が使われていた年代を設定しているようです。

建築年代別に記載していきます。

ちょうど、縄文時代の技術で竪穴住居を作った場合にどうなるのかという展示も行われていました。

藤森氏監修

日本の国の中で 今から1万3千年前ごろ、旧石器時代が終わり、縄文時代がはじまりました。縄文土器がつくられたことにより、食物を煮てたべられるようになりました。また食べ物をいいれたり、蓄えられるようになりました。豊かな自然の恵みや道具の発達によって、生活が安定すると人々は家をたてて、1つの場所に移り住むようになりました。約6000年前に日本列島はほぼ現在の形になったといわれています。人々は、川や湧き水のある小高い丘に家をたて、4,5軒の家が寄り集まって、村をつくりました。縄文人の家は、円形や四角形に、直径4,5mの穴を掘り、数本の柱をたてて、カヤなどで屋根を葺いた竪穴式住居です。縄文時代は1万年間に及びます。1万年間 こういった竪穴式の住居に我々のご先祖様は暮らしていました。

当時の時代のつくりかたにならい、磨製の石斧や藤蔦を用いて、住居を建造している過程を記載します。

まずは、穴を掘ります。

 

基本となる柱と梁の架構を作成します。

柱は上部が二股になっているものを使用し、そこに梁をとおします。

梁の上で サスを組んで棟をうけます。木材と木材は縄で縛ります。

骨組みの完成。

垂木には細かく刻みをいれ、そこに水平材を配置して屋根をふいていきます。

樹皮をしく。

樹皮は、地面に近いほうから棟のほうへ一部を重ねて、雨が入り込まないようにして葺いていきます。

 

土をこれから盛ります。

樹皮の上に土が敷かれました。

土はある程度かわいたら、樹皮を挟み込んでその上からまた土を葺くということを繰り返し行います。

最後に芝を植えて、土が締め固められます。

 

関東地方の農家

庶民住宅のことを民家とよび、農家と町家にわかれます。

農家の特徴としては、開口部が少なく閉鎖的なつくりであること(養蚕を盛んに行う以前。防犯性のためもあり壁が多い)、屋根を茅葺とすること、大きな土間をもつこと、土間に隣接する床上に囲炉裏を設けること、天井ははらずに梁組をそのままみせることなどがあげられます。

関東地方の農家は、大きく曲がった木材をそのまま梁に使う傾向がみられ、比較的整った材を使う近畿地方の農家に比べ、豪快な印象をあたえるようです。屋根の形は、寄棟造りが大半ですが、たまに入母屋造りのものもみられます。

農家の間取りは 古いものでは、土間に面したヒロマを中心に3部屋からなる広間型3間取りがみられ、18世紀後半になると4つの部屋が漢字の田の字のようにならぶ田の字型(整形4間取り)がほとんどになっていきます。

上層の農家の中には、武家住宅の影響をうけ、式台付きの玄関や書院造の座敷飾りをもつ例もみられます。

 

綱島家 建築年代:1700年代前半 屋根:寄棟造り

軒がとても低くなっています。土壁がまわった閉鎖的なつくりであり、戸袋もなく板戸としています。

間取り:広間型三つ間取り

板敷のヒロマの西側に南北の続き間を持つ構成。

内観です。柱が梁間方向に短いスパンで存在しています。

豪快な梁組で屋根を支えています。

屋根を支える小屋組みはサス組です。北のザシキを除き天井は貼っておらず、梁が露出されています。

低い軒、閉鎖性、天井を貼らないなど、古民家の特徴を率直に伝える構成になっています。

天明家  建築年代:18世紀後半

屋根:寄棟造 千鳥破風付 明り取りの破風が絶妙な意匠となっています。

間取り:食違四つ間取り

江戸時代の豪農の家です。表側が広間及び玄関の間、裏側が居間及び女中部屋である。

 

室内は天井を貼っており、囲炉裏によって、木が黒くなり、典型的な日本家屋の意匠となっています。

八王子千人同心組頭の家 建築年代:江戸時代後期

屋根:入母屋造

間取り:田の字型

土間部分です。

室内は、奥が接客空間となっています。柱が礎石の上にじかにのる構造は,江戸時代後期の一般的な特徴であり、土台の上に柱をたてるものと比べて古い時代の構造様式です。

しっかりとした梁で屋根を支えます。小屋組みはサス組です。

吉野家 建築年代:江戸時代後期

屋根:寄棟造

土台の上に柱が建つ基礎形式は、柱が礎石の上にじかにのる構造よりも進んだ形をしている。(石場建)

間取り:整形6間取り(田の字型に2つの部屋が付加)

 

大名の車を迎える車寄せとなっています。

 

内観です。天井がはってあります。

土間部分です。

 

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