耐震設計の考え方と耐震リフォーム計画のポイント

建物耐震設計では、極めて強い地震の時にも、倒壊だけはしないようにするというのが最大の目標です。倒壊してしまえば、人命を守ることがおぼつかなくなるからです。倒壊さえしなければいいということは、少々なら壊れることを許容しています。(これも耐震等級や評点により考え方は異なります。)まず、現状の建物の軸組の状態を把握します。それから、民家、寺などは、精密な限界耐力計算という手法にて、計算を行う場合もあります。通常の在来木造工法の家は、一般診断法という計算方法で検討します。力の流れをよく考えて、床、天井の水平材を固め、上部の荷重が下部にきちんと流れるようにします。また、下部の壁のバランスを見ながら、配置を何パターンも検討して想定される大きな地震力に対して、持つような壁の配置にします。二階が、一階に対してどのようにのっているのか、二階の荷重をどのようにして、一階の壁で受けるのかが重要なポイントになります。

上記の写真は、以下の構造体の補強によって出来上がっています。

 

耐震リフォーム計画のポイント

Point.1
建物の重量に応じて壁量を十分に確保する。(壁を増やす、壁を強くする等).

Point.2
壁の配置バランスをよくする。
(四隅に耐力壁を設置する、開口部などを補強する等).

偏心率を考慮に入れながら、耐力壁のバランスを考えます。

居室南側の東西の壁が この建物の東西方向の耐力壁となり、バランスを整えています。

Point.3
上下階の力の伝達を確実にする.

建物の一体性を高める(合板や火打ち等による水平構面の確保)

赤い斜線部分を 構造用合板で固めることで 水平構面を強くし、上部の荷重が下にうまく流れる構造体を作ります。

下屋部分の天井を構造用合板で補強することで、水平構面を強くし、上部の荷重を 下に流します。

2階の床は、この上に構造用合板を貼ることで、剛床とし、水平構面を高めます。

Point.4
接合部の緊結を十分に行う.

柱と土台に金物を設置します。

柱と梁に金物を設置します。

Point.5
基礎を丈夫にする.

土台と基礎を金物でつなぎます。

金物がコンクリートにしっかりと埋め込まれるため、土台と既存基礎と新設基礎をしっかりとつなぎます。

 

Point.6
土台や柱が腐朽しないようにする(防蟻処理された土台への取り換え等)

土台と基礎とをアンカーボルトでつなぎます。

Point.7

※伝統的建造物の場合(荒屋パネル耐震ダンパー根固による柱脚の固定).


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