木造 平屋建て住宅 許容応力度計算による 応力図等
最もシンプルな木造平屋建て住宅において、許容応力度計算を行い、耐震等級3耐風等級1の建物の応力などの状況を確認して記載してみることにしました。
南側から見た外観です。黄色い部分は、構造用合板による耐力壁を表現しています。
北側から見た外観です。
1階平面図です。西から玄関に入り、浴室、LDK、トイレ、和室があります。単身、もしくは、2人で住む程度の住宅です。
鉛直構面の状態をしめしています。検定比で色が白部分がすべてであるので、とても強い安定した構造体になっているのがわかります。
水平構面ですが、こちらも白のため、安定した構造体であることがわかります。
横架材接合部ですが、白のため問題ないです。継手にあたる部分となります。
柱頭柱脚部分です。こちらは黄色の部分も多いです。特に隅の柱で黄色が目立ちますが、問題ない範囲です。引き抜き力がけっこう働くようです。
横架材の曲げです。南側の大きな開口部廻りは曲げが強くなります。
横架材のたわみ
横架材のたわみとしては、南側大開口部の上部桁にかかるLDの梁がもっとも大きくなるようです。
柱間が広く、開口部にかかる横架材は注意が必要であるということがわかります。
柱の座屈状態を表します。白のため柱の状態は健全です。
土台と梁のめり込みの状態です。平屋で荷重があまりないため、めり込みも少ないようです。
基礎梁の曲げ LDKと北側の部屋との間の間仕切りの下の基礎が青になっているのがわかるとおもいます。やはり、このあたりに、上部荷重が多くかかるようです。
風圧力も検証しています。壁の上半分から屋根部分が風荷重の対象になります。
耐震等級3を満たす必要梁せいが上記です。全体をながめることができます。基本的には、105の梁せいと、135の梁せいが存在すればよいようです。LDKをまたぐ梁は、せいが180は必要となります。ちなみに、梁の材種は、杉の集成材としています。
西側からみたものです。
緑の梁の部分がせいが180mmのものとなります。柱間は3640mmです。
たわみの量です。南側から見たものです。LDKにかかる梁がたわみが大きくなるのがわかると思います。
北側からみた たわみの状態です。
柱の引き抜き力です。隅の柱はやはりかなり引き抜きがかかりますね。HD金物を柱脚にしっかりと入れる必要があります。
こちら柱の引き抜き力を北側から見たものです。
基礎梁にかかる最大曲げモーメント
屋根から梁に荷重が流れて、桁に流れ、柱に流れている部分の直下の基礎梁は曲げモーメントが大きくなるようです。
上部屋根から柱までの荷重状態をみていけば、どこに基礎梁の曲げが大きくなるのかがわかるようです。
基礎梁の曲げの状態を北側からみたものです。
これは、一つの柱の負担する荷重の範囲を示しています。(緑部分)
こちらも1つの柱が負担する荷重の範囲を示しています。
内部の柱になると、側の柱よりも多くの荷重を負担していることがわかります。内部の柱を取り除くのは、とても注意しておこなわなければなりません。
南側の大きな開口部の側の柱が負担する上部荷重です。こちらも大きな荷重を負担していることがわかります。
開口部上部の梁が負担する 上部荷重の範囲です。
梁が負担する荷重の範囲です。
以上
様々な 応力の状態と 梁や柱がどう荷重を負担しているのかが 視覚的に確認できたかと思います。
平屋の建物は、基本的には、構造体として安定していますが、隅柱の柱脚の引き抜き力は大きいし、柱間の大きい場所や、大きな開口部廻りの梁、柱には、配置の仕方、材種、梁せい等 注意が必要であるということが分かったのではないかと思います。