健康増進センターの計画
健康増進センターの計画をおこないましたので、記載します。
■敷地
準住居地域 道路高さ制限 及び 隣地高さ制限は それぞれ1.25
建蔽率の限度は70% 容積率 300%
■建築物
地上3階建て 耐火建築物
2900m2以下 延べ床面積
■概要
ある地方都市の河川沿いの敷地において、市民のスポーツによる健康づくり、体力づくりを目的とした健康増進センターを計画するものであります。本建築物は、周囲のスポーツ施設群の中心的な存在として、テニスコートや屋外プール等と一体的に使用するものであります。市民が各種スポーツを楽しみながら健康増進を図るとともに、スポーツを通した世代間交流や心身のリフレッシュができる施設とします。また、計画にあたっては、環境負荷低減のため、自然エネルギーを利用し、快適な室内環境が得られるように、パッシブデザインを積極的に取り入れた計画とします。
■敷地計画
①スポーツテラスを以下のように計画します。
・健康増進部門の利用者が軽運動を行ったり、休憩の場として利用するものとし、河川の眺望に配慮します。
・2階の屋上に設置します。
・軽運動スペース 植栽 通路 屋外ファーニチャーを含むまとまったスペースで200m2を確保します。
②カフェテラスを以下のように計画します。
・南側道路からアプローチできるものとし、利用者が休憩や飲食をすることができるようにカフェとの動線にも配慮します。
・まとまったスペースで50m2確保します。
③駐車場は、サービス用を1台設けます。利用者用の駐車場と駐輪場は、隣地の駐車、駐輪場を利用するものとし、敷地内には設けません。
■設備計画
空調設備、給排水衛生設備、電気設備、消火設備などを適切に設け、環境負荷低減に配慮します。空調設備は、単一ダクト方式とします。給水設備は、水道直結増圧方式、電気設備は屋外型とします。屋上設備スペースには、空調設備、非常用発電設備、ボイラー及び貯湯槽を設けます。その他 ボイラー室とろ過機械室を設けます。
■1階平面図
メインエントランスは東側の銀杏並木からとしています。またサブエントランスを南側と北側からもうけ、南側からも北側からもアクセスしやすい計画としています。エントランスホールでは施設利用者の券売機をもうけ、スポーツや健康に関する情報を届けるスポーツギャラリーを計画。スポーツギャラリー上部は3層の吹抜としています。カフェをエントランスホールに隣接してもうけ、客席から銀杏並木が眺められ、カフェテラスと行き来できるようにしています。事務室は、本建築物の管理運営を行う場所であり、受付カウンターを設け、4人分の執務スペースを計画しています。また更衣スペースと休憩スペースを設けています。
その他、空調機械室とポンプ室を1階に設けています。事務室の受付カウンターの所で、上足に履き替え、ロッカールームで着替えを行い、各室に行くよう計画しています。1階には トレーニングルームも計画しました。
■2階平面図
2階は、天井高さ7mの多目的スポーツ室を設け、間口芯々15m奥行27mの無柱空間としています。その他、スタジオA及びB、セミナー室をもうけ、吹抜けに隣接して、休憩スペースを設置しています。インストラクター控室、救護室、器具庫も設けています。屋外階段を設けて、2階3階は、容易に2方向避難ができる計画としました。
■3階平面図
3階は、スポーツテラスを南側に設け、河川の眺望と日照に配慮した計画としています。測定室とキッズ用プレイルームを設け、キッズ用プレイルームは無柱空間として、上部PC梁としています。
■断面図
多目的スポーツ室は、振動や騒音に配慮して、2重床とし、床吹き出し空調としており、床下500mmとして計画しています。
また、面積が200m2を超え、天井高さが7m存在するため、特定天井に適合する仕様としており、注意を払っています。
■面積表
延床面積は2733m2です。
■計画のポイント
・アプローチ計画及び避難計画について考慮したこと
利用者のサブエントランスは、周囲のスポーツ施設群との連帯や道路からのアクセスを考慮し、北側及び南側に設けた。東側のメインエントランス及び南側のサブエントランスから道路までは敷地内で避難できる計画とするとともに、屋外階段から道路までの経路についても有効幅員1.5m以上の敷地内通路を確保することで、安全に避難できる計画とした。
・利用者の靴の履き替えを考慮した要求室の配置計画及び動線計画について考慮したこと
健康増進部門を全て上足ゾーンとするとともに、エントランスホール及びカフェは下足で利用する計画とすることで、明快なゾーニングとなるように配慮した。健康増進部門の入り口にロビーを計画し、エントランスホールに面して履き替えライン及び下足箱を設置することで、靴の履き替えが1か所で行えるスムーズな動線計画となるように配慮した。
・外部空間と屋内空間のつながりを配慮した点について
銀杏並木の景観を積極的に取り入れるため、カフェ及びカフェテラスは東側に間口を広く面して計画するとともに、カフェの東西を全面開口とした。カフェテラスは東側の銀杏並木からも直接アクセスできる計画とするとともに、カフェと直接出入りできる出入り口を計画することで利便性に配慮した。
・吹き抜けまわりの建築計画について
吹抜けは2面が開口となる計画とすることで、自然光を十分に確保できる計画とした。自然光を十分に確保できる計画とした。東側の開口部には鉛直ルーバーを設置し、日射を抑制することで外気負荷の低減を図った。
吹き抜けの上部に開閉式のトップライトを設けることで、明るい共用部とするとともに、重力換気により自然通風を促進することで、中間期の空調エネルギーの削減を図った。
・目標耐震性能について
構造体の大きな補修をすることなく建築物を使用できることを目標とし、人命の安全確保及び機能確保を図る。
非構造部材である、建築物を使用する際に支障となる天井、間仕切り壁及び造作家具などの損傷、移動などが発生しないようにし、人命の安全確保及び機能確保を図る。
建築設備としては、漏電などの二次災害防止を図るとともに、大きな補修をすることなく必要な設備機能を継続使用できるようにします。
・多目的スポーツ室の空調吹き出し口の設置位置などについて
天井が高く開口部が大きいことから、室内での温度勾配が大きく、冬季にコールドドラフトが発生しやすい。そのため、2重床による床吹き出し空調とすることで、居住域を効率的に空調する計画とした。ペリメーターゾーンにはライン型吹き出し口を設置することでコールドドラフト対策とした。
多目的スポーツ室の照明計画について
照明器具を天井に均等に配置し、多目的スポーツ室全体の床面において均一な照度が得られる計画とすることで、運動時の安全性及び視認性が確保できるように配慮した。500ルクスの照度を確保できグレアが発生しにくい照明器具を採用するとともに、LED照明とすることでメンテナンス性にも配慮した。