集合住宅の計画その2
本施設は、住宅部門に加えて、商業施設部門をまかせ持ち、周辺環境との調和を図り、活気ある駅前通りのさらなる活性化に参画するとともに、地域の子育て支援に寄与することを目的として計画する。各住戸については、自然採光及び自然通風に配慮するとともに、周辺環境に配慮し、快適な居住空間とする。
敷地は 準住居地域 斜線勾配は1.25 準防火地域 建蔽率の限度は70% 容積率の限度は300%
地上5階建ての耐火建築物 住宅部門の共用廊下 EVホール 階段は 床面積に算入しないものとする。
給水方式は、水道直結増圧方式とする。EVは 住宅部門にひとつ、商業施設部門にひとつとする。
敷地の特性としては、南側に7階建ての集合住宅が存在しており、住戸を南向きに配置すると、南側の隣地境界線からの距離を採光のために、しっかりととらなければならない。よって、IやL型の住戸配置ではなく、ツインコリダー型の住戸配置が想定される。また西側に商業施設と歩道が存在するため、主出入口は敷地西側に存在することになるであろう。
一階平面図
駐車場は、商業施設部門として、1台、サービス用として1台分をもうける。その他住宅部門の居住者の駐車場は敷地北側の公共駐車場を利用するものとする。
駐輪場は、商業施設部門用として10台分をもうける。
1階廻りは、商業施設への出入り口と、通用口、車椅子利用者用駐車場、住宅部門への出入り口と駐輪場と、多くの建物へのアクセスが必要となるため、そこを注意して計画することが重要である。
商業施設部門
エントランスホール (吹き抜けを40m2ほどもうけ、緑化する。)
カフェ(外部からも直接アプローチできるようにする。30人程度利用)
ガーデニングショップ(80m2)
書店(100m2)
施設管理室 電気室 ポンプ室 ゴミ庫(2)
住宅部門
居住者用エントランス 居住者用駐輪場及び商業施設部門のエントランスホールへアクセスできるようにする。
EVホール メールボックスをもうける。
居住者用駐輪場 32台
管理事務室 ゴミ庫
子育て支援部門(上足利用)
受付ホール プレイルーム(80m2)託児室(80m2)育児交流室(50m2)
育児相談室 二室 スタッフルーム 幼児用便所
住戸B 室構成は1K 40m2 8戸を計画する。
3-5階平面図
2LDK 各階8戸 約80m2
断面図
エントランスホールは吹き抜け部分に緑化を計画した。吹き抜け上部は 光庭となるため、エントランスホールに十分な採光を確保できる計画となっている。
面積表 建築面積 1036m2
床面積 3-5階 2016m2 2階 916m2 1階 965m2
合計 3897m2
建築物のアプローチ計画について
住宅部門の出入口は北西側にもうけ、敷地北側の公共駐車場からもアプローチしやすいようにした。商業施設部門のエントランスホール及びカフェへのアプローチは商業施設の立ち並ぶ西側道路からとすることで、駅前通りの活性化を図った。通用口は東側道路からとし、施設管理者のアプローチ動線が居住者及び商業施設利用者と交錯しないように配慮した。
基準階の計画において 住戸Aの各個室に自然採光を確保するために考慮したこと。
住戸Aは、開放性が高い道路に 向かって配置するため、東側に4戸、西側に4戸もうけた。建物中央部に光庭をもうけることで、各個室に自然採光を確保できる計画とした。共用廊下側から採光がかくほできない角の住戸は、北側、南側に開口部を設けることで、各個室に自然採光を確保する計画とした。
エントランスホールを快適な空間とするために配慮したこと
エントランスホールの吹き抜けを建物中央部にもうけるとともに、上部の光庭にトップライトをもうけ、自然採光を確保することで、明るく快適な空間となるように配慮した。トップライトは開閉式とし、重力換気による自然採光を取り込む計画とすることで、快適な空間となるように配慮した。
子育て支援施設の計画について
子育て支援施設は2階の西道路側にまとめて計画することで、視認性を高め、利用者がわかりやすい計画とするとともに、利用しやすい施設構成となるように配慮した。受付ホールに下足箱をもうけ、履き替えを1カ所で行う計画とすることで、利用しやすい動線計画となるように配慮した。
建築物の避難計画について
基準階の避難については、共用廊下を回遊型で計画するとともに、南北の両端部に階段を配置することで、安全な経路を確保した。2階の住戸Bからの避難については、廊下を直線状とし、スムーズな動線計画となるようにした。
吹き抜けの構造計画について
吹き抜けは建物中央部に配置し、周囲を極力スラブで構成することで、地震時の水平力による二階床面の剛床性能が損なわれないように考慮した。吹き抜け周囲はスパン割に合わせてすべて大梁で構成することで、小梁や片持ち部材などを用いないシンプルな部材配置となるように配慮した。
ルート3を用いた構造計画
建築物の耐震性能を詳細に評価できるルート3を採用し、保有水平耐力と必要保有水平耐力の比較を行うことで、大地震時の地震動に対する安全性を確保する計画とした。
空調計画
エントランスホールは4方向吹き出しの天井カセット型を複数配置することで、ホール内の温熱環境が均一となるように配慮した。吹き抜け部分には、吹き出し位置の自由度が高い天井隠ぺい型を採用し、2階梁下から居住域に吹き出すとともに吸い込み口を天井面にもうけることで、ショートサーキットを防止し快適性に配慮した。
集合住宅の計画
市街地において 緑豊かな公園を望む敷地に 多様な生活に対応できる集合住宅を計画するものである。
本建築物は、地域住民も利用できる多目的ルームのほか、コンビニエンスストアを設けることで、居住者の利便性及び地域コミュニティの向上を図るものとする。
第一種住居地域 斜線勾配は1.25とする。建蔽率の限度は70% 容積率の限度は200%
風環境は、夏季に南からの卓越風、中間期は北からの卓越風がある地域とする。
地上3階建ての耐火建築物とする。
2,3階については、住宅部門の共用廊下、EVホール及び階段は床面積に算入しない。
1階については、住宅部門の共用廊下は床面積に算入するものとする。
給水方式は、受水槽+加圧給水ポンプ方式とする。
EVは、居住者用として1つもうける。空気調和設備は、空冷ヒートポンプパッケージ方式とする。
共用部門において、居住者が利用するエリアと居住者以外も利用するエリアを適切にゾーニングし、
明快なゾーニング計画とするとともに居住者のセキュリティに配慮する。
敷地は、西側に公園が存在し眺望が良い。また南側は10m道路となっている。北側は4m道路であり、東側は隣地である。
駐車場は、居住者用として7台分(1台は車椅子使用者用)、サービス用として1台。
敷地内の駐輪場は、居住者用として32台以上 コンビニエンスストア用として、10台分を用意する。
1階平面図
居住者用の駐車場と駐輪場をまとめて北側に配置した。
共用部門
居住者が利用するエリアと居住者以外も利用するエリアを適切にゾーニングし、明快なゾーニング計画とする。
玄関ホール ゴミ保管庫
コンビニエンスストア(100m2以上)外部からアプローチできる。玄関ホールからもアクセスが可能。
バックスペースを設け、サービス用駐車場からの動線に配慮した計画。
多目的ルーム(約150m2)
居住者の他、地域住民も利用できるようにする。地域のイベントや集会などにも利用し、居住者のこどもの遊び場としても利用する。
器具庫。管理事務室。ゴミ保管庫
電気室(約35m2)受水槽室(約25m2)ポンプ室(15m2)
建築物の外部動線について考慮したこと
利用者の主要なアプローチは、幅員が広く歩道のある南西道路側からとすることで、駅利用者の利便性に配慮した。駐車場は北東側にまとめて計画し、歩行者アプローチと明確に区分するとともに、中庭に面してサブエントランスを設け、駐車場からアクセスしやすい動線計画とした。サービス用駐車場からコンビニエンスストアへのバックスペースへの搬入動線は、敷地北西側に確保し、利用者動線と交錯しないようにした。
共用部門において、居住者が利用するエリアと居住者以外も利用するエリアのゾーニング及び動線計画
居住者が利用するエリアは南東側にまとめ、居住者以外も利用するエリアは北西側にまとめることで、明確に区分するゾーニング計画とした。居住者が利用するエリアの出入口はオートロックを設置するとともに、管理事務室と隣接する位置に計画することで、セキュリティに配慮した。共用部門の便所は、居住者以外も利用するエリアの多目的ルームに近接した位置に配置することで、地域住民が利用しやすい計画とした。
二階平面図
住宅部門
L型の配置とし、2階及び3階は、東と南向きの住戸とし、1階は東向きのみの住戸配置とした。
住戸A 3LDK 80m2 12戸
住戸B 1LDK 50m2 10戸
ゲストルーム 30m2 トランクルーム 40m2
住戸の大きさと数を考えて、住戸Bは南向きとし、住戸Aは東向きとした。
住戸については、南東側及び南西側の開口部を間口最大に設けることで、自然採光、自然通風を積極的に確保する計画とした。建物中央部には中庭を計画し、南側及び北側からの卓越風を中庭周囲の開口部を介して積極的に取り込むことで、自然採光 自然通風を確保する計画とした。
住戸の24時間換気について
24時間換気に対応する換気扇は、湿気が他室へ流出しないように浴室に計画した。給気口は、24時間対応の換気扇から極力離れた各居室の外気に面する部分に設けることで、効率的な換気ルートが確保できるように配慮した。通風経路に設ける建具は、アンダーカットのある開き戸や隙間のある引き戸 引き違い戸とすることで、適切な通風経路となるように配慮した。