認定こども園 設計監理事例 D園(姫路市 保育園 幼稚園)

姫路市にあるこども園の増築の設計監理をおこないましたので、記載していきます。

■計画前の要望

既存園舎が手狭になってきており、教室のトイレが足りないということと、雨の日に遊ぶ遊戯室園舎が欲しい。また、その遊戯室は、音楽堂を兼ねたものとしたいという要望でした。


様々な検討を行った結果、既存園舎が中庭広場を挟んで東側にあるため、既存園舎の西側に渡り廊下をつくり、遊戯室をつくる計画としました。隣は、職員用の駐車場を配置しています。

■配置計画

当初は、既存園舎の西側に付属して、遊戯室を検討していたが、職員の駐車場の必要性と、教室棟と遊戯室の間に運動場が存在するほうが、こども達の遊びも活発になるであろうという判断から、既存教室棟の横に木造のトイレを敷設し、その西側から渡り廊下でつないで遊戯室、その西隣に駐車場を配置した。既存園舎の隣に、運動場を挟んで、音楽堂を兼ねた遊戯室の設計である。

 

実際には、既存園舎と広場には、土地の高低差があるため、なだらかな傾斜とした。

廊下は、園児の親御さん達が、いろいろと歓談できるような場所となっており、既存園舎から雨の日も、濡れずに遊戯室へいうことができるようにしている。

竣工写真

ウッドデッキを敷いている。中庭には木を植えた。この園舎も、兵庫県の県民まちなみ緑化事業から、最大500万円の補助金をもらい、庭の植林をおこなっているようです。

手前は足洗い場である。

■計画概要

夜景である。夜見ても廻りの環境が明るくなるような状況をイメージ計画した。

2020年度行われるオリンピックをイメージして、こども達に把握してもらえるように、五輪の色彩計画を行い、夜も確認できるようにした。

当初予定していた、設計段階のパースである。トップライトを作成しているが、予算の兼ね合いで、トップライトは削除した。音楽堂のため、グランドピアノを置き、ステージを作成している。

 

床は総ヒノキ張りである。竣工後もとても香りが良い。これは、既存園舎も床を檜貼りにしたところ、そうでない床のところから、すぐにこどもが、ヒノキの床に自然と移動するらしく、とても評判がよいということで、採用することになった。

■竣工写真

設計の特徴

・特徴としては,運動場から遊戯室に入った生徒が,二階を走り回り,滑り台で降りれるようになっている。遊戯室を一つの遊具と見立てた。こどもが、上下をみて、遊んだりする立体的な子供の遊び空間は、子どもの脳を発達させるようである。

・背の低い園児に合わせて二階窓下部も,ガラスとなっており、舞台の壁は、コペンハーゲンリブという味わいのある反射板の壁とした。

・遊戯室中心部には、舞台を設け、ピアノを設置し、コンサートを行うことが可能となっている。

二階を走り回ると、この写真の様に滑り台で降りることができる。階段下はトイレである。

 

園児でも視線が通る明るい保育園となった。階段下には,穴倉空間やロッククライミング,各所遊具等設け,子供が走り回り,遊ぶ保育園となっている。

階段下を穴倉空間として秘密基地のようなものをつくった。ボルダリングもできるようになっている。

 

晴れた日は、運動場で、雨の日は遊戯室で遊べることになり,園児は遊びに事欠かない状態であるらしい。

二階廊下下には、キャットウォークのような遊具を設けています。

 

こども園を、じっくり検討しながら設計してきたために、こどもの遊び空間に関して、深く考察することができております。

学校関係者の皆様、こどもの遊び空間に関して興味ございます方々、お力になれる可能性もございますので、よろしければ、当方の事務所にご相談ください

 

今回は、この園舎には、補助金を使いませんでしたが、認定こども園の建て替えには、資金の3/4が補助金として交付される可能性があります。数多くの幼稚園、保育園を手掛けた当社まで、補助金申請も含め、お気軽にご連絡ください。

■工事前の状況

東方向に見えるのが既存の園舎です。この何もない土地を購入して新たな園舎をつくりました。

一面、何もない土地でした。

 

■工事中の状況

基礎がつくられて、鉄骨の躯体が立ち上がりました。南東二階から、音楽堂のステージ(北西)をみています。北東の階段を上がって、二階を歩くと西南の滑り台にいく鉄骨の架構が組まれたことがわかるかと思います。

 

北東から滑り台(南西)をみています。滑り台の鉄骨架構が形成されています。

音楽堂ステージ(北西)から南東をみています。架構が形成されました。

外壁が作られ、外部が形作られていきます。

内部も壁と造作ができあがっていきます。

内装工事がどんどん進んでいきます。

音楽ステージの背面です。背面には、演者の控室が存在しています。

控室の廊下です。かなりゆとりのあるスペースとして設計しています。奥に演者のトイレも設置しています。

一階の階段を使って上がったところです。ここから二階をぐるぐる子供たちが走りまわります。窓の下部は子供の目線を考慮して、はめ殺しの窓を設置しています。

二階を走りまわってきて、南西の位置から南東を見ています。

二階の状況です。

 

 

音楽堂ステージを見ています。(北西方向)鉄骨架構に仕上げが加わり、ステージの裏側は、コペンハーゲンリブが設けられて、音を吸収、反射する仕組みができ上っています。

 

鉄骨架構の滑り台が完成されてきています。この部位だけでも、階段で登り、滑り台で降りるという遊びが園児で行われるようです。

 

北東の階段下の穴倉空間です。ロッククライミングもできます。

音楽堂ステージ上部から南東の方向を見ています。二階は、ぐるぐると子供が走りまわるスペースであると同時に、二階から音楽のステージをみたり、観客が観覧したりできるスペースとなっています。立体的な空間です。

二階の空間の床もヒノキ材を用いて、暖かい 木の ぬくもりの感じを出しました。

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