ツインコリダ―型(東西向きの住戸配置)の 集合住宅の計画

集合住宅の計画

■計画概要

 

本施設は、住宅部門に加えて、商業施設部門をまかせ持ち、周辺環境との調和を図り、活気ある駅前通りのさらなる活性化に参画するとともに、地域の子育て支援に寄与することを目的として計画する。各住戸については、自然採光及び自然通風に配慮するとともに、周辺環境に配慮し、快適な居住空間とする。

■敷地

敷地は 準住居地域 斜線勾配は1.25 準防火地域 建蔽率の限度は70% 容積率の限度は300%

地上5階建ての耐火建築物 住宅部門の共用廊下 EVホール 階段は 床面積に算入しないものとする。

→敷地の特性としては、南側に7階建ての集合住宅が存在しており、住戸を南向きに配置すると、南側の隣地境界線からの距離を採光のために、しっかりととらなければならない。よって、IやL型の住戸配置ではなく、ツインコリダー型の住戸配置が想定される。また西側に商業施設と歩道が存在するため、主出入口は敷地西側に存在することになるであろう。

■面積表

建築面積: 1036m2

床面積

3-5階: 2016m2 2階: 916m2 1階: 965m2

合計: 3897m2

■設備

給水方式は、水道直結増圧方式とする。EVは 住宅部門にひとつ、商業施設部門にひとつとする。

 

一階平面図

駐車場は、商業施設部門として、1台、サービス用として1台分をもうける。その他住宅部門の居住者の駐車場は敷地北側の公共駐車場を利用するものとする。駐輪場は、商業施設部門用として10台分をもうける。

1階廻りは、商業施設への出入り口と、通用口、車椅子利用者用駐車場、住宅部門への出入り口と駐輪場と、多くの建物へのアクセスが必要となるため、そこを注意して計画することが重要である。

建築物のアプローチ計画について

住宅部門の出入口は北西側にもうけ、敷地北側の公共駐車場からもアプローチしやすいようにした。商業施設部門のエントランスホール及びカフェへのアプローチは商業施設の立ち並ぶ西側道路からとすることで、駅前通りの活性化を図った。通用口は東側道路からとし、施設管理者のアプローチ動線が居住者及び商業施設利用者と交錯しないように配慮した。

エントランスホールを快適な空間とするために配慮したこと

エントランスホールの吹き抜けを建物中央部にもうけるとともに、上部の光庭にトップライトをもうけ、自然採光を確保することで、明るく快適な空間となるように配慮した。トップライトは開閉式とし、重力換気による自然採光を取り込む計画とすることで、快適な空間となるように配慮した。

商業施設部門(1階)

エントランスホール (吹き抜けを40m2ほどもうけ、緑化する。)

カフェ(外部からも直接アプローチできるようにする。30人程度利用)

ガーデニングショップ(80m2)

書店(100m2)

施設管理室 電気室 ポンプ室 ゴミ庫(2)

住宅部門(1階)

居住者用エントランス 居住者用駐輪場及び商業施設部門のエントランスホールへアクセスできるようにする。

EVホール メールボックスをもうける。居住者用駐輪場 32台  管理事務室 ゴミ庫

二階平面図

子育て支援部門(上足利用)

受付ホール プレイルーム(80m2)託児室(80m2)育児交流室(50m2)

育児相談室 二室 スタッフルーム 幼児用便所

住戸B 室構成は1K 40m2 8戸を計画する。

子育て支援施設の計画について

子育て支援施設は2階の西道路側にまとめて計画することで、視認性を高め、利用者がわかりやすい計画とするとともに、利用しやすい施設構成となるように配慮した。受付ホールに下足箱をもうけ、履き替えを1カ所で行う計画とすることで、利用しやすい動線計画となるように配慮した。

3-5階平面図

2LDK 各階8戸 約80m2

基準階の計画において 住戸Aの各個室に自然採光を確保するために考慮したこと。

住戸Aは、開放性が高い道路に 向かって配置するため、東側に4戸、西側に4戸もうけた。建物中央部に光庭をもうけることで、各個室に自然採光を確保できる計画とした。共用廊下側から採光がかくほできない角の住戸は、北側、南側に開口部を設けることで、各個室に自然採光を確保する計画とした。

建築物の避難計画について

基準階の避難については、共用廊下を回遊型で計画するとともに、南北の両端部に階段を配置することで、安全な経路を確保した。2階の住戸Bからの避難については、廊下を直線状とし、スムーズな動線計画となるようにした。

断面図

 

エントランスホールは吹き抜け部分に緑化を計画した。吹き抜け上部は 光庭となるため、エントランスホールに十分な採光を確保できる計画となっている。

・吹き抜けの構造計画について

吹き抜けは建物中央部に配置し、周囲を極力スラブで構成することで、地震時の水平力による二階床面の剛床性能が損なわれないように考慮した。吹き抜け周囲はスパン割に合わせてすべて大梁で構成することで、小梁や片持ち部材などを用いないシンプルな部材配置となるように配慮した。

・ルート3を用いた構造計画

建築物の耐震性能を詳細に評価できるルート3を採用し、保有水平耐力と必要保有水平耐力の比較を行うことで、大地震時の地震動に対する安全性を確保する計画とした。

・空調計画

エントランスホールは4方向吹き出しの天井カセット型を複数配置することで、ホール内の温熱環境が均一となるように配慮した。吹き抜け部分には、吹き出し位置の自由度が高い天井隠ぺい型を採用し、2階梁下から居住域に吹き出すとともに吸い込み口を天井面にもうけることで、ショートサーキットを防止し快適性に配慮した。

 

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