集合住宅のこれから
建設不動産の業界がどのように動いているのか、観察してみました。
集合住宅の再生も、これからは、
①高齢者住宅と児童福祉施設の複合 多世代型シェアハウスの可能性
②東京R不動産にみられる都市の隙間のリノベーション提案
➂サービス付き高齢者住宅の必要性
④長期修繕計画策定提案業務(共同住宅以外)
⑤木造密集地域の再建築不可物件の統合による建て替え提案
というのが、いまのところの 動きとしては、面白いようです。勢いがあるのは、高齢者住宅のようです。
以下 詳細に記載します。
①高齢者住宅と児童福祉施設の複合 多世代型シェアハウスの可能性
シェアとリノベーション
これだけ建築ストックが豊富な時代。単一のもののリノベーションより、地域のリノベーションを考えたリノベーション。リノベーションするもの、既存のものとの多様な関係 性をどう考えるか。自己完結型の再生ではなく、地域を包括的に再生する手法が必要。
・福祉 認知症 障碍者の就労支援 保育園 デイセンター 児童福祉施設 学童保育
サービス付き高齢者賃貸住宅
・賃貸住宅 学童保育と高齢者施設を複合させた施設。
多世代型のシェアハウス
・単体リノベするよりも社会的な機能、ソフトを入れる。
育児支援ニーズにこたえる施設 在宅支援ニーズや医療介護ニーズ
・マイホームの一部をシェア居住として開放する動きが活発化するであろう。
→戸建ての住宅の二分化案 セーフティネット制度の活用等
②東京R不動産にみられる都市の隙間のリノベーション提案
東京R不動産 にみられる建築と不動産業との融合化
・住まい手の新たな価値観 ライフスタイルをひきだすような新しいマーケット
更新可能な都市の隙間を発見する。大手と役割を差別化させながら生き残る。
・建築業 不動産業の融合化と地域化
空きビルや空き室のリノベーションの企画案を通して地域の活性化を図ろうという試み。関係性を再構築し、地域の情報を発信するといったことにより地域ポテンシャルを高める。
➂サービス付き高齢者住宅の必要性
高齢者住宅事業 超高齢化社会
独居老人の住まいがとても必要。認知症等
・野村不動産 OUKASUシリーズ 高齢者住宅事業を始めだす。
運動 食事 睡眠 フィットネススタジオ 食堂 地域交流カフェ
10年間で40棟 5000戸の供給 WPC床材 DAIKEN
・グループリビング 高齢者向けの 流動性の高い単身者向けの賃貸住宅は、それなりの需要がある。高齢者はあがりだったはずの一戸建てから縮小したコンパクトな集合住宅にうつる。そこでコミュニティをデザインする。超高齢化社会の住宅をデザインする。
←この市場は大きく伸びると言われている。
成功事例
銀木雫
サービス付き高齢者住宅 グループホーム
今迄のサービス付き高齢者住宅は、運営者が 入居している高齢者を管理監督して、高齢者が生活するところでした。食事 お風呂 等 生活をケアし、病気になった時は医療的なケアまでしっかりしてくれるものではありますが、入居する高齢者に、選択や自由はあまりありませんでした。入居する高齢者が、このような施設に入所すれば、元気がなくなるという話もありますが、人間は、自分の役割や生きがいがなくなると、気力がなくなります。運営者が、十分すぎるケアをおこなうことが、そのことの大きな要因 のようです。高齢者が、自分で行えることは自分で行い、できるだけ長い間自分で生活できるように、支援を行うという考え方のもとに経営をおこなっている高齢者住宅です。
④長期修繕計画策定提案業務(共同住宅以外)
共同住宅以外の建物の長期修繕計画の提案業務
通常のマンションは、長期修繕計画に基づき、計画的に建物の改修を行うが、多くの他の建物がそのような計画修繕を行っていないのが現状。ファシリティマネジメントの必要性
・建築家がEVを付加したり、充実したコモンスペースを付加する共用部のリノベーション
⑤木造密集地域の再建築不可物件の統合による建て替え提案
木造密集地帯における再建築不可物件の統合案
都市化社会が終焉し、都市型社会に移行したなかで生活を中心とした都市構想の提案は、都市中心部ではなく、防災上変化せざる得ない木密リングの未来構想の中に求められる。木造密集市街地では、未接道敷地が多く存在し、土地が塩漬けにされ、地域の開発が進行しない原因になっている。→共同建て替えを誘導する手法。
接道は、2mの長屋の可能性
まずは、木造密集地帯のデータベース
→土地とその廻りの敷地 周辺エリアをよむ行為が必要。
以上、上記のような動きが社会に必要とされているようです。
■まとめ
・立地条件の良い空き家戸建て住宅は、2戸に分割して賃貸住宅にする計画が今後望まれるのではないかと考えています。
・リノベーションを行う際には 単体でのみ考えるのではなく、地域をリノベーションする志でもって設計を行っていく。
・築30年以上の共同住宅はますます増え、長期における計画的な見通しをもって共同住宅に関わることが専門家に求められます。
・高齢者向けの単身賃貸住宅の需要が望まれ、そこでのコミュニティをデザインする活動も必要とされます。
・都市の隙間を 地域と関連づけて提案していくことも重要になろうかと思います。
以上
集合住宅のこれからと題して まとめてみました。