市街地にたつ研修施設の計画

市街地にたつ研修施設を計画しましたの記載します。

■敷地

近隣商業地域 道路高さ制限 及び 隣地高さ制限は それぞれ1.5

建蔽率の限度は80%  容積率 300%

■建築物

地下1階地上5階建て 耐火建築物

3400m2以上3800m2以下 延べ床面積

 

 

■概要

ある地方都市の市街地において、企業の社員用の研修施設を計画しています。本施設は、低層階に、様々な研修を行うための室をもうけるとともに、食堂、浴室や屋上テラスをもうけることで、社員のコミュニケーションを図ることを目的とします。基準階については、宿泊室を設けることで、滞在型の研修にも対応できるようにしています。

■敷地計画

屋上テラスを、2階の床レベルに設けます。まとまったスペースで150m2以上。

社員間のコミュニケーションや屋外でのサークル活動の場として利用し、公園の眺望に配慮します。

駐車場は、地上に平面駐車とし、車椅子利用者として2台、サービス用として1台とします。

 

■1階の計画

 

 

エントランスホールには、企業の概要や沿革に関する資料などの展示コーナーをもうけます。

エントランスホールは吹抜けが存在して、ゆったりとした空間計画とし、アプローチには車寄せをもうけ、歩行者用通路も設けます。

ラウンジ、厨房付き食堂、研修室A,B、備品庫も設置します。サービスエリアには、宿直室と事務室を設けます。

地下部分には、電気、機械室を設けます。サービスアプローチとしては、利用者ゾーンに交錯しない搬入路を計画しています。

■2階平面図

 

 

屋上テラスは、公園の眺望に配慮した計画としています。サークル室は、屋上テラスとの動線に配慮した計画としています。その他、和室、浴室、湯上りコーナーをもうけます。湯上りコーナーは、履き替えラインを1か所にて計画しています。ろ過機室と職員休憩室は、サービスゾーンに設けます。エントランスホール上部には、吹抜けを設け、吹き抜け部分は梁を設けない計画としています。

■3~5階平面図

 

宿泊室は、1室あたり25m2とし、ツインルームとしています。12室設け、バス、トイレ、洗面台を設けます。間口は、芯々3.5m以上を確保します。宿泊室Bは、各階に1室設け、30m2とし、車いす利用者用とします。5階建て部分の柱は、低層階部分の柱よりもサイズアップして、800×800としています。宿泊室は、開放性の高い南側、北側に向けて計画しています。屋上の外気処理空調機からの外調機用DSを設置しています。

 

■断面図

 

各階の高さは、1階4,500mm、2階は4000mm、3~5階は、3500mmとしています。

4500は、3000(食堂階高さ)500(ダクトルート)800(梁せい)+クリアランスが必要で、その階高さとしています。

屋上に外気処理空調機、空冷ヒートポンプチラーユニットをおいています。

居室部分は、防水とバリアフリーに配慮し、水廻りのスラブを下げて計画しています。屋上テラスも、防水とバリアフリーに配慮して、水廻りのスラブを下げています。エントランスの庇は、鉄骨造のH鋼と吊材で庇を構成しています。地中の根入れ深さは、5階建ての建物重量を考慮した根入れ深さとして、6500としています。

■面積表

建築面積:42×29=1218.0m2

延べ床面積合計:3654.0m2

3階床面積:42×14×3=1764.0m2

2階床面積:42×14+28×10ー10×7(吹抜け)=1764.0m2

1階床面積:42×26=1092.0m2

■計画上のポイント

車寄せの計画について(安全性 利便性)について考慮したこと

車寄せは、車いす使用者用の駐車場とともに北側道路にまとめて配置し、見通しの良い車両動線とすることで、安全性の高い計画とした。車寄せに隣接して、歩行者専用の通路を設けることで、歩車分離を図り、車寄せ上部には奥行きの深い庇を設けることで、雨天時にも利便性の高い計画とした。

・敷地の周辺環境を踏まえ、基準階の計画について考慮したこと

基準階については、宿泊室の快適性を確保するため、全室を開放性の高い北側道路及び南側公園に向ける中廊下型のシンプルな形状とした。基準階部分を南側の隣地境界線からセットバックした計画とすることで、公園に対して、圧迫感の影響を極力抑えられる配置計画とした。

・1,2階に計画した各要求室の構成と配置について考慮したこと

管理関連の各室は北東側にまとめることで、施設を利用する社員のゾーンと明確に区分する計画とした。1階については、エントランスホールから直接アクセスできる位置にラウンジや食堂を配置し、利用しやすくわかりやすい共用部を形成した。2階においては、浴室関連諸室と他の室を2階ホールを中心として配置し、用途の異なる動線を明確に区分する計画とした。

基準階の避難計画について考慮したこと

基準階の廊下は、直線状とし、十分な幅員を確保することで、見通しが良くスムーズな避難経路となるように配慮した。2箇所の階段は、廊下の両端部に配置し、重複区間が極力短くなるようにすることで、避難時の安全性に配慮した。1階においては、2箇所の階段から北側道路及び東側道路にそれぞれ安全に避難できる動線計画とした。

吹き抜けの計画についてその位置とした理由、及び計画上考慮したこと

1階北側には車寄せ及びアプローチ空間のために奥行きの深い庇を設けたため、自然採光を確保しにくいエントランスホールの上部に吹抜けを計画した。吹抜けを2階ホールに面して計画し、2層分の開口部から自然採光を取り入れることで、1,2階の共用部が明るい空間となるように考慮した。吹抜けは梁を設けない計画とすることから、Y方向をスパン割りに合わせ、シンプルな部材配置となるように配慮した。

地階及び、基礎について考慮したこと

地階は、地上部のスパン割りに合わせた位置に計画し、ラーメン架構内のRC造の壁で土圧を安全に支持できるように配慮した。地盤が良好であるため、直接基礎を採用し、基礎形式は安定性の高いベタ基礎を採用した。5階建ての建物重量を安全に支持できるように十分な地中梁の梁せいを確保できる根入れ深さとした。

・設備シャフトの計画について考慮したこと

①PS

PSは極力水廻り下部に設け、横引き配管を短くすることで、漏水防止対策とした。宿泊室の排水管はスラブ上配管とすることで、下階への騒音対策と維持管理のしやすさに配慮した。宿泊室2室の水廻りを隣接させ、PSをまとめることで、合理的な配管計画とした。

②DS

低層部は単一ダクト方式であるため、DSは空調機械室上部に立ち上げる計画とし、圧力損失の少ないダクトルートを確保した。基準階は外気処理空調機+ファンコイルユニット方式であるため、屋上に設置した外調機の直下にDSを設け、合理的なダクトルートを確保した。

③EPS

EPSは、各階同位置に設けることで屈曲の少ない合理的な幹線ルートとなるように配慮した。廊下に面して扉を設けるとともにEPS内には十分なスペースを確保することで、分電盤の操作や点検などが行いやすいように配慮した。

■設備計画

空調設備、給排水衛生設備、電気設備、消火設備などを適切に設け、環境負荷低減に配慮します。空調設備は、1階2階を単一ダクト方式とし、基準階を熱源機器からの冷温水の供給による「外気処理空調機+ファンコイルユニット方式」とします。給水設備は、水道直結増圧方式電気設備は屋内型とします。屋上設備スペース、1階ポンプ室、空調機械室、電気室を設けます。

エレベーターは社員用として、2台(地下1階~地上5階)及びサービス用として1台(地下1階~地上5階)を設けます。

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