木造2階建て住宅 その2(許容応力度計算 耐震等級3)

少し古い間取りですが、構造体として、綺麗な架構をしているため、実際に構造計算を行い、どのような応力状態にあるのかを検証してみました。計算結果としては、問題なく、耐震等級3を満たしています。ちなみに耐風等級としては1となっています。

1階平面図です。東側から玄関を入り 廊下を経てキッチンダイニングに入ります。

キッチンダイニングの部屋は下屋となっっており、それ以外の部屋に二階がのっています。

〇部分が通し柱となっており、6か所存在しています。柱間は、2間×2間、2.5間×2間、1.5間×2間、1.5間×2.5間 です。この辺りの柱間をうまく使いながら、平面的な要求を満たして、住宅の設計をしていくことが肝要です。

2階平面図です。2階が1階に綺麗にのっていることがわかると思います。階段部分はボイドになります。

外観です。南面の開口部は それなりに必要となります。

では許容応力度計算を行いました。応力状態を示していきます。

鉛直構面 耐力壁の状態です。1階も外壁部分は、構造用合板12mmの耐力壁で、2階部分は、少し耐力壁も少ないですが、1階が青で強くて、2階は、緑で少し弱いですが、バランスとしては、とても良い状態です。

北側から見た 鉛直構面の状態です。

水平構面の状態です。1階2階ともに 床面は 白で とても強い状態であることがわかります。

南側から見た水平構面の状態です。2階床は、根太レスの剛床仕様です。

横架材接合部の状態です。やはり、1階下屋部分と2階建て部分の接合部が青色となっており、少し弱いですが、問題ないです。この部分は注意して、構造計画することというのがわかります。

 

柱頭柱脚接合部の状態です。

筋交いが双方向からつく柱は、黄色になる部位があります。筋交いがつくのでしょうね。その他開口部が大きい部分の柱も黄色になっている箇所もあります。もし、ここでNGが出た場合は、筋交いの位置を今一度検証したり、開口部の大きさを検証したりする必要があるようです。

土台 アンカーボルトの状態です。

一部、玄関廻りで基礎が存在しない箇所廻りで黄色がでていますが、問題ない範囲です。土台 アンカーボルトの状態です。

 

横架材の曲げの状態です。黄色部分が曲げが大きく負担があるところです。

 

梁せいを表示した状態です。これが有効であるのは、梁せいが 3Dですべて見えるように計算されて表示されます。

リビング部分は、柱のスパンを2間とばしているため、210以上の梁せいが必要になります。

北側からみた 梁せいです。

さきほど曲げ部分の黄色をしていたところが赤丸部分です。開口部上部と和室上部になります。和室上部は、下に柱、壁が存在しないが、二階に柱や壁が存在するため、梁の負担過重が大きくなることがわかります。こうしてみていくと力学的にどこを注意しなければならないのかが わかり、架構の理解が進みます。この架構はせいが300mm以上の梁が存在してません。よって、構造的に無理のない架構をしていることがわかるかと思います。

横架材の曲げを南からみた絵です。黄色部分は、開口部上部です。

横架材のたわみです。曲げと同様に、開口部廻りと2階に壁があり、1階に壁がない部分がたわみが大きくなります。

横架材のたわみを北側から見た図です。

柱の座屈などです。全く問題ない状態となっています。

土台と梁のめり込みです。問題ないです。

耐風梁部分を示しています。階段部分の梁は注意が必要です。

その他地盤と基礎の形式、接地圧、基礎梁(曲げ せん断)、底盤の曲げなども確認して問題ないです。

梁上耐力壁を南側からあらわした絵です。

同様に北側から梁上耐力壁を表しています。

 

 

 

曲げモーメントの状態です。開口部上部は曲げモーメントが大きくなります。

南側からたわみの量を見た絵です。

 

 

 

 

北側からたわみ量を見た絵です。

 

この建物のように 架構がきれいであれば、梁のせいも大きくならず、たわみの量もちいさくなり、構造的にも強くなり、耐震等級3を保持できる建物となることがわかります。また、この計算を行うと、その架構の弱い部位や、2階の荷重がどのように1階に流れてきているかを 目で見て確認することができます。

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