戸建て木造住宅 土台と基礎 継ぎ手 仕口 羽子板ボルト 木造の現場(施工不良事例)
先日、偶然に、木造のリフォーム現場にはいりますと、写真のような施工をしていました。
一見するとわかりませんが、あまりよくない施工例です。
どのようなことが 問題か この写真から わかるでしょうか?
①土台と基礎の緊結
建築基準法施工令42条に土台は、基礎に緊結しなければならない。と記載があります.
アンカーボルトが 土台を貫通して、基礎と緊結されているのがこの絵でわかると思います。
赤丸部分で、土台と基礎をアンカーボルトで緊結していませんでした。地震力が発生した場合に、土台がずれると上部構造が破壊されます。
土台と基礎のアンカーによる緊結は、木造建築物で とても重要です。
このように、単に部材を金物で留めているだけでは、地震時の引き抜き力に耐えることができない可能性があります。
②仕口部分の羽子板ボルト
建築基準法施工令 47条
構造耐力上主要な部分である継ぎ手 仕口
構造耐力上主要な部分である継ぎ手又は仕口は、ボルト締め かすがい打 込み栓打等の大臣が定める構造方法により緊結しなければならない。
と記載があります。
以上のように通常は、羽子板ボルトで仕口は、つなぎとめるのが、通常のやりかたであり、構造的に強くなります。しかしながら、今回は、写真を見て頂けるとわかりますが、金物で結節しているだけです。一見すると、強固なように見えますが、地震力は、横方向縦方向、斜め方向と様々な角度から建物に影響を与えます。この金物の結節方法は、羽子板ボルトに比べて弱いと言えます。
リフォーム担当者と大工さんが、建築基準法等含め、木造をあまり知らずに施工するとこのような施工になります。
もしくは、この場合、羽子板ボルトの施工をするとなると、木の軸組の外部から、壁を取り払い、その後に外部から、羽子板ボルトをつけなければならず、非常に手間がかかるため、内部から仕事を行った結果このような施工となったといえるでしょう。
以上 あまりよくない施工事例です。