鉄骨造の考え方2
鉄骨造の設計における知っておくべき必要事項を記載していきます。
①柱脚の注意点(露出柱脚)
柱脚は最もよく使われる露出柱脚に関して記載します。
ダイアフラムの出っ張りよりも、ベースプレートが大きいため、設計時に注意が必要です。
またベースプレートよりも基礎柱は大きく、布基礎よりも大きく出ていることにも注意が必要です。
ベースプレート+50mm 基礎柱の大きさ
ALC板の取り付けをする際に、柱とALC板のサイズしかみなければ、うまくいかないことも多いです。
アンカーボルトの出っ張りが見られることが好まれないため、黄色ラインまでスラブを打つことが多いです。これを置きスラブ形式といいます。
②仕口の注意点
ダイアフラムの出っ張りは25mmほどです。
柱とALC板の間隔は、35mm程度となります。
力は仕口部に流れるときに、ダイアフラムが存在していないと、柱の薄い板に流れるだけで、とても弱い構造体となることが予想され、ダイアフラムという仕口は、うまく垂直と水平の力を流すという意味で、とても重要です。
仕口部分は、梁の段差が100mmほどしかない場合は、ハンチにて処理する場合もあります。
梁せいに差がある場合は、仕口部分で内ダイアフラムを設けて、対処します。
内ダイアフラムを設けます。
設備配管を梁に通し、梁に貫通孔を開ける場合は、梁せいの1/2以下 1/3以下にする場合が多いです。
梁下で配管を通す場合もよくありますが、梁せいのおおきいほうの梁のせいが大きいときは、そもそも貫通孔が開けられないということもあります。
ブラケットに貫通孔をあけることはできません。
ハンチ部分も配管を通すことはできません。
床の段差はできるだけなくしたいものです。やむを得ない場合は、梁に段差ができるため、内ダイアフラムで処理します。
内ダイアフラムは、極力なくす設計をする方が、コストダウンにつながりやすいです。内ダイアフラムは、内でダイアフラムを使い、その溶接の検査等とても時間を必要とし、作業場は効率的ではありません。
コストダウンの話がよくありますが、梁せいを小さくして、コストダウンするよりも、全て同じ貼の断面を使うほうがコストダウンの効果があるようです。鉄骨の製作上の容易さからといったところです。
③床の設計時の注意点
鉄骨の水平材には、折半屋根と合成デッキとALC板がよく使われます。
合成デッキは、デッキプレートの上にコンクリートが流されるため、強い床となります。折半とALC板は、床が柔らかいため、ブレースを取り付けることになります。
CD管は、管径が大きい場合は、デッキと鉄筋の間隔の調整が必要になり、設計時注意が必要です。
焼抜き栓溶接です。
デッキと鉄骨は、焼き抜き栓溶接でフレームとデッキを結節しますが、端部には、デッキのかかりしろを50mmとるなど注意が必要です。
④ALC板の取り付け
梁にアングルを取り付けALC板と梁を固定します。このアングルは、溶接を工場で行ってくることを推奨しますが、現場溶接の場合もあり、ケースバイケースのようです。
デッキ床とALC板との間は140mmほど必要になります。
ALC板は、ロッキングといって、地震時等に動くことによって、揺れを吸収する状態をしています。
ロッキングの金物です。ALCの目地割とこのボルト金物の位置に注意する必要があります。もし、柱の裏にこのボルトの位置がくることがあれば、ボルトのとめつけがしにくくなり、NGとなります。
金物は、埋めるようです。
⑤鉄骨部材の幅のサイズの注意点
鉄骨の部材は、道路交通法上、幅2.5mのものしか、運搬できないようになっているようです。
⑥鉄骨部材の見た目
デザイン上 ボルトの凸凹がみえないように、トルシア型ボルトの丸い部分を見える方向に計画する場合もあります。