ある設計における考え方について
ある建築家の設計手法について、講演会で聞き 面白かったので、まとめていきます。
①自然と一体化した住宅の設計
昔の武家屋敷の縁側 建物と庭が一体となっています。
・現在の建売住宅 緑がない。近代化するにつれて緑がなくなっていっています。
壁が多くて、開口部の少ない高気密高断熱の家に、違和感を感じているとのことでした。
本来的な日本の住居は、屋根がゆったりとしていて、床があがり、風が通り、庭と一体化した家だったのではないだろうかとの話。自然の豊かさとともに暮らす日本人の価値観を大切にして、家づくりを行っているとのことでした。内外を一体化して、中間領域をいかに室内化するのかを重要視して設計活動をおこなっているようです。
②中間領域を室内化した場合の問題解決策
・ガラス開口部で室内を開放的にしたい。
問題としては、冬場の寒さが生じます。
窓をペアガラス→熱の輻射を遮るためにロールスクリーンにして、室内を快適にします。
③屋根にたいする考え方
木造の架構を見せる。
多雨な気候の日本は、屋根を大きくゆったりとかけ、庇をしっかりとだす建築物が望まれます。
その際に構造体を化粧材としての機能ももたせ、デザインを行います。
具体的には、野垂木と化粧垂木 105×45 をタルキックというビスで貫通させて、梁がなくても屋根がもつ構造体を考えています。柱は、ペアガラスの最大寸法から1800程度としています。
④地盤面と 住居床面との差を なるべくなくして、庭と近接した住宅の設計を行いたい。
建築基準法の基礎の立ち上がり300mmというものは存在するが、それは、地面をあげることにより解決したり、方法を模索。
⑤庭の詳細設計
実際に植樹する植栽を 検討して、現地で造園会社や職人と打ち合わせを行い、図面に記載していきます。どういう庭ができるかで風景がわかれると考えています。
⑥具体的な設計の流れ
- 1/200で周辺の建物やアクセス等敷地を読む行為と行います。
- 敷地の中で庭がどこにどのように存在するかを考えて、家の中にどのように光が入るかを考えます。
- 平面図プランをまとめます。
- 屋根を考えてたり、二階をどこにどのようにのせるのか、架構的な面から考えます。
- 2階のボリュームを大体決める。建築の原点とは構造表現という考え方を重要視しています。
- 断面図を描きます。
- パースを起こして、仕上げや設備 構造がここでだいたいわかるようにしています。
- 1/100の図面を書いていきます。
・上記鹿児島の家だそうですが、地域性をしっかりと考えながら、現代的に通用する技術で住宅を考えていきたいとの話です。
建築家 横内敏人氏 講演会