軒先の部材名称 ディテール②
軒先のスケッチです。※の部材の名称は何でしょうか?
回答
広小舞と淀 が混在しているが、広小舞とするほうが多いようです。しかし、広小舞とは、幅広の小舞であって、小舞は細い材が並んだもの。すなわち、広小舞は、化粧天井材を下から支えている小舞の軒先側の端に位置する材であり、軒天上の見切り材であります。現在の簡略化されたおさまりでは、軒天井の一部としての広小舞は消滅しており、屋根面の野地板の軒先の見切り材は 淀 と呼ぶべきあります。
解説
淀には、屋根の野地板の見切りと暴れ防止のほか、下葺きのこけら葺きの戻り勾配を調整する機能があります。野地板と表面をそろえ、あばれ防止のための厚さを確保し、戻り勾配調整用の勾配をつけるために、一般に長押びきの材が使われてきました。現在では、下葺きはアスファルトルーフィングが主流で、下葺きの戻り勾配の調整は不要です。瓦葺では、軒瓦の納まりからテーパー材が一般的ですが、金属板葺きでは矩形断面が自然です。野地板より厚い材を納めるには垂木先端にかきこみが必要になります。
鋼板屋根の軒先
鋼板屋根の標準ディテールでは、唐草の厚みを考えて、淀は 野地板より下げることが推奨されています。
桔木という構造部材
軒の出が大きい場合や、二重軒にする場合は、天井裏に隠れたキャンティレバーで軒を支えることになります。垂木はもともとは、小屋組みの主要部材でありましたが、桔木の導入により、構造的な役割から解放されて、デザイン的に自由な存在になりました。
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