市街地にたつコミュニティセンター

市街地にたつコミュニティセンター

■敷地

第一種住居地域 道路高さ制限 及び 隣地高さ制限は それぞれ1.25

建蔽率の限度は70%  容積率 200%

■建築物

地上3階建て耐火建築物

2700m2以上3100m2以下 延べ床面積

 

 

■概要

ある小都市の市街地において 図書部門と生涯学習部門とからなるコミュニティセンターを計画するものです。

図書部門は、地域の読書活動の拠点とし、市民が気軽に本にふれることができる場を提供することを目的としています。生涯学習部門は、地域住民を対象としたサークル活動などにより市民の自己啓発を支援することを目的としています。なお、共用部門の市民ホールは、多くのものが利用することを踏まえた計画としています。

■敷地計画

オープンスペースを 市民の休憩の場として計画します。建築物のアプローチ空間としても利用します。地上に設け、160m2以上のまとまったスペースとする。

屋上テラスを、日照に配慮し、施設利用者の休憩 交流の場とします。地上2階床レベル又は、地上3階床レベルに設けるものとし、150m2を確保します。

駐車場は、地上に平面駐車とし、車椅子利用者として1台、サービス用として1台、駐輪場は、施設利用者として、10台分とします。

■設備計画

空調設備、給排水衛生設備、電気設備、消火設備などを適切に設け、環境負荷低減に配慮します。空調設備は単一ダクト方式とし、給水設備は、水道直結増圧方式、電気設備は屋内型とします。

屋上設備スペース、1階ポンプ室、空調機械室、電気室を設けます。

■1階の計画

 

レストラン、ホワイエは公園の眺望に配慮しています。

エントランスホールには、1階から3階まで30m2以上の吹抜を設け、自然採光を確保します。

市民ホールは、天井高さは6m以上、辺長比は、1.5以下とし、無柱空間とします。各種イベント等多目的に利用できるものとしています。

 

■2階平面図

 

交流スペースは、公園の眺望に配慮しています。

生涯学習部門は2階にまとめています。集会室、和室、工作室、講師控室、給湯室、講師控室。

■3階平面図

一般開架閲覧室及び児童閲覧室は、直天井とせずに、天井を貼るものとし、天井高さは、3m以上とする。

図書部門を3階にまとめ、一般開架閲覧室、児童閲覧室、読書室、ブラウジングコーナーを設けます。図書作業室は、一般開架閲覧室への書籍の搬入経路は、利用者動線と交差しないような計画とします。

■断面図

 

■面積表

延床面積は3024m2となっています。

■計画上のポイント

  • 市民ホールの計画について

市民ホールは多くの利用者が同時に利用することを想定し、利用者が来館時に上下階の移動がない1階に計画した。北側の公園に面して計画することで、快適な室内空間となるように配慮した。市民ホールのホワイエはエントランスホールに面して計画することで、利用者にとってわかりやすい動線計画となるように配慮した。

 

・一般開架閲覧室の計画(閲覧席の計画 図書作業室の動線等)について考慮したこと

一般開架閲覧室の閲覧席は、北側の公園に向けることで、安定した自然採光を確保するとともに、景観を取り込んだ静かで落ち着いた快適な読書スペースとなるように配慮した。図書作業室は、一般開架閲覧室に隣接して配置することで、職員の作業の効率を図った。サービス用エレベーターを確保することで、書籍などの搬入動線を確保した。

 

・エントランスホールの吹抜を活かした計画について

吹抜けは各階の共用部に面して計画することで、上下階が連続性のある一体的な空間となるように配慮した。エントランスホールの中央に配置し、3階南面に開口部を設けるととともに上部にトップライトを計画することで、各階の共用部が自然採光を確保した明るく快適な空間となるように配慮した。

・建築物のバリアフリー及びセキュリティに関して考慮したこと

バリアフリーに関しては、利用者が建物に安全にアプローチできるように、車いす使用者用駐車場を主出入り口に近接して配置した。車いす使用者及びオストメイト等に配慮して、多機能トイレを各階に配置した。

セキュリティに関しては、事務室の受付カウンターは、主出入り口に隣接して配置し、入退館の管理がしやすい計画とした。管理部門は西側にまとめて計画し、利用者ゾーンと明快に区分することでセキュリティに配慮した。

・スラブ及び小梁の架け方について考慮したこと

庇以外のスラブは、周囲を大梁及び小梁で囲う4辺固定スラブとし、スラブ荷重が安全に伝達されるように配慮した。一般開架閲覧室は、、書架による積載荷重が大きくなるため、小梁は7mスパンを3分割する位置に2箇所配置することで、スラブに対して局所に集中する書架荷重を分散できるように計画した。

・市民ホールの空調用吹き出し口の設置位置

市民ホールは気積が大きい空間であることから、スロット型の吹き出し口を天井面にバランスよく配置するとともに、吸込み口は床面近くに計画し、空調空気が下方まで十分到達する計画とすることで、居住域が快適な温熱環境になるように配慮した。

・一般開架閲覧室の照明計画

書架及び閲覧席には、タスクアンビエント照明を採用することで、省エネルギーに配慮した。閲覧席は局部照明とし、机上で750ルクス程度の読書に必要な照度を確保した。室内全体は全体照明とし、局部照明の1/3~1/10程度の照度を有するダウンライトを均等に配置することで、均一な照度を確保した。

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