古民家、空き家再生のポイントは?予算別・おすすめの再生法について

少子高齢化社会が進行し、空き家の増加が社会問題化しています。放置されている空き家の中には崩壊の可能性が指摘されているものもあり、近隣住民に不安を与えていることも多いようです。そのため、空き家や古民家を新たな用途のために再生しようという動きも出てきています。この記事では古民家や空き家を再生する方法を、予算別に紹介していきますので、空き家を所有されている方や古民家の再生に興味をお持ちの方は、ぜひ参考にしてください。

最近盛り上がりを見せている古民家や空き家

空き家が増え、地域社会において問題となっていることは確かです。また、大都市の中心部で見かけることはほとんどありませんが、築100年を超えるような古民家のリノベーションも非常に人気です。インターネットのインフラが普及し、わざわざ出勤しなくても仕事が可能になり、地方の古民家をリノベーションして移住したという人も増えているようです。ここで古民家のよいところをまとめてみると、

・構造的な木組みがあらわになり、梁みせ等空間的な面白さを体験できる。

・その土地の素材で作られた建物を体験できる。

・木の暖かみを感じる空間を体験できる。

・土間のある場合が多く、土間作業を行える

・縁側等 昔ながらの日本の家を体験できる。

 

などでしょうか。あこがれの田舎暮らしには、古民家をアトリエにしたり、カフェにしたり、といった夢の暮らしも含まれてくるでしょう。しかし、築100年ともなると、リノベーションにはどれぐらいのお金がかかるのでしょうか?

 

古民家のリノベーションにかかる予算

古民家にもさまざまな物件があるため、一概にリノベーションに必要な予算がいくらとはいえません。リノベーションの規模、物件自体の規模や状態も影響してきます。大規模な作業になるので、廃棄物を捨てることにもお金がかかります。そのため、古民家リノベーションは、ざっとした費用しかわかりません。内外装と水回りや耐震補強などをすべておこなうフルリノベーションで、だいたい改修費用は坪30~60万円であり、30坪(100m2程)の古民家では、1000~2000万円が相場だと考えましょう。

部分的な改修なら1000万円以下でも可能な場合があります。

古民家や空き家をリノベーションする際のポイント

築100年を超える物件ともなると、そのまま使える箇所は使いながらリノベーションを進めることになるでしょう。古民家や空き家をリノベーションする上で押さえるべきポイントについてご紹介します。

屋根

古民家に限ったことではありませんが、人が住まなくなった家は、傷みがどんどん進行してしまいます。特に天候の影響を直に受けている屋根は、傷んでいる物件がほとんどなので注意が必要です。屋根材にはさまざまなものがあり、一般的な金属屋根、瓦などの選択肢があります。それぞれにメリット・デメリットがあるので、用途やイメージに合わせて選択することになります。

金属屋根

メリットとしては軽量で加工しやすく、高い耐久性で雨漏りに強いことです。

デメリットとしては遮音性・断熱性が低く錆びやすいという点です。

※ステンレスやチタンといった、錆びに強い金属屋根材もあります。

 

メリットとしては高い耐久性と塗り替えが必要ないところです。

ほかの屋根材と比較しても、重み・厚みがあり遮音性・断熱性・耐熱性に優れています。

デメリットとしては重みがある分、地震の揺れに弱いので耐震性を考慮した工事が必要になります。

しっかりとした基礎工事が必要ですが施工できる職人も少ないようです。

 

水回り

古民家の場合、水回りの大改修が必要になるケースがあります。上下水道が通じていないこともありますので、そのようなケースでは、工事にかかる費用もかさむことが多いようです。一般住宅同様、水回りは「キッチン」「お風呂」「トイレ」「洗面台」「配管」などの設置工事が必要になります。しかし、一見、大変なことばかりのようですが、お風呂やキッチンを自分好みに作り上げることは、この上ない楽しみのようにも思えますがいかがでしょうか?

 

内装工事

古民家のリノベーションでは、ほとんどの場合、内装材である土壁やしっくいは、解体する場合も、上から石膏ボードや構造用合板を打ち付ける場合もあります。内装も使える部分は使うイメージで構いませんが、さすがに解体作業は職人さんに任せるべきです。腕に覚えのある方なら、ここからDIYで内装を作り上げるという手もあります。

耐震工事

古民家は基本的に丈夫ですが、長年、人が住んでいない家はどうしても傷みが進んでしまいます。特に地震が多い日本ですから、古民家といえども現在の耐震基準にあわせてリノベーションしたほうがよいです。耐震改修工事には、補助金が使えるケースが多いので、まずは自治体のウェブサイトなどをチェックしてみましょう。

当社にご連絡いただきましても ご丁寧に対応致します。

 

古民家や空き家の再生で優先すべき作業

古民家や空き家を再生しようとすると、どうしても壁になってくるのが予算です。2000~3000万円の予算が用意できる場合は、フルリノベーションをおこなえますが、500万円以下など、予算が限られる場合は、優先順位をつけて再生をおこないましょう。

まず、絶対にやるべきなのは屋根と水回りです。屋根は傷みやすいところですし、水回りは、多くの場合、現代の生活にマッチしていません。余裕がある場合は、電気の配線工事もおこないましょう。こちらも現代の生活には欠かせない作業になります。

さらに予算に余裕がある場合は、建物の骨組みである躯体を頑丈にすることを考えます。耐震工事も視野に入れ、そのあとに残った箇所をリノベーションしていくとよいでしょう。

古民家や空き家の再生は、現在、人気を集めているだけでなく、資源の有効活用につながるという、とても意味のあるプロジェクトになります。古民家や空き家の再生をお考えの方は、ぜひ高橋建築事務所までご相談ください。

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