木造2階建て住宅の新築 許容応力度計算(構造計算) 耐震等級3

 

木造2階建て住宅の許容応力度計算を行い、経済的な部材の設計を行っていきます。

建物概要

延べ床面積 125.06m2 1階 69.57m2 2階 55.49m2

最高高さ 7.993m 軒高さ 6.1m

屋根 スレート葺き 勾配 5寸 軒の出南側910 北側 455

けらばの出 300 外壁仕上げ材 窯業系サイディング

耐力壁 外壁側 構造用合板12mm  筋交い 45×90mm

内壁 石膏ボード12mm

水平構面仕様 構造用合板12mm 垂木ころばし + 転び止め

床 構造用合板 24mm 四周釘打ち

柱梁の材種 杉の集成材  耐震等級は 3の設計を行います。

南立面図です。

東立面図です。

北立面図です。

 

西立面図です。

1階平面図です。東西方向に8m柱 壁が存在しないLDとなっており、仕様規定の構造計算では、問題が生じるため、許容応力度計算を行います。

詳しくは

耐力壁線間距離が8mを超えるため、仕様規定による床倍率検定では、耐震等級2以上を満たすことができない。そのため、許容応力度計算で耐震等級3となるよう設計する。 ということです。

 

2階平面図です。二階部分の南側が吹抜けとなっていることがわかると思います。

順をおって、入力していき、構造計算をおこないます。

①耐力壁の設定

一階平面図の耐力壁配置状況

外周部は構造用合板 内壁は石膏ボード 所々 筋交いが存在しているのがわかるかと思います。

最終的には、筋交いが隅の柱を圧迫して、強度のある金物があわないため、筋交いの位置をX0通りY1-2→Y3-4に移行します。同様にX14通りY1-2→Y3-4

 2階平面図の耐力壁は、1階と同様に外周部は構造用合板、内壁は石膏ボード。

②樹種の選択

柱、梁、軒桁、胴差、床大梁、床小梁は、杉の集成材。

樹種は、杉で、対称異等級構成 等級は E75‐F240 です。

③横架材接合部の選択

横架材接合部は、仕口:大入れ蟻掛け+羽子板ボルト

継手:腰掛けあり + 短冊金物

 

大入れ蟻掛け

羽子板ボルト

腰掛けあり

 

短冊金物

垂木ー軒桁、垂木ー母屋、棟木:釘N90打ち(1本)打ち込み深さ30mm以上ではNGとなるため

ひねり金物ST-9 短期許容引っ張り耐力 1.4KN

小屋束ー母屋、棟木:短ほぞさし→長ほぞ差し込み栓打ち(短期許容引っ張り耐力3.81KN)

短ほぞです。

④屋根関連設定

屋根ふき材:スレート葺き 短期許容引き上げ荷重:2264N/m2

屋根面ピーク風力係数

けらば先端:存在する。けらば頂部:存在する。

仕様:屋根勾配:5寸 垂木寸法:幅45mm、せい75mm

垂木ピッチ:455mm 軒の出:910mm

けらばの出:300mm 最大母屋 棟木 軒桁間隔:910mm

最大小屋束ピッチ:1820mm

負の風圧に対する断面算定

垂木(軒部分)と垂木(けらば部分)の負の風圧に対する断面算定検証を行います。

棟木、母屋、軒桁の負の風圧に対する断面算定検証を行います。

 

負の風圧に対する接合部の引っ張り耐力の算定を

垂木ー軒桁(軒部分) 垂木ー軒桁(けらば部分)垂木ー母屋(けらば部分)

垂木-棟木(けらば部分)垂木-母屋(小屋部分)の部位で行います。

負の風圧に対する接合部の引っ張り耐力の算定を

棟木ー小屋束(けらば部分) 棟木ー小屋束(小屋部分)

母屋ー小屋束(けらば部分) 母屋ー小屋束(小屋部分)の部位に対して行います。

⑤基礎の設計

 

基礎梁伏せ図です。アンカーM12は〇、M16は△です。

その他人通口があります。

基礎仕様を設定します。

基礎形式は、ベタ基礎です。地中梁は、外周部のみの設定とします。底盤の配筋はシングルとすることで経済設計とします。コンクリートの基準強度は21N/mm2。基礎梁の補強筋の先端フックはありです。地盤の長期許容応力度20KN/m2。基礎梁幅150mm。地上高さ400mm。上端筋1-D13。根入れ深さ300mm。基本的にはD13@300 縦横の配筋で問題ないです。外周部の立上りは、GL+400となります。

人通口の幅や、開口部下の主筋の位置を入力したりします。

人通口部分は底盤厚が150mmであるため、接地部分のかぶり厚さ60mmを除き、開口部下の主筋の位置は、90mmとなります。玄関部分は地中梁が存在し、根入れ深さが深いため、開口部下の主筋位置は290となります。

アンカーボルトを配置します。

HD金物付の柱の場合、柱から100㎜の位置にM16を配置します。

それ以外の柱の場合は、柱から200mmの位置にM12を配置します。

土台の継手付近に継手中心から150mmの位置にM12を配置します。

配置間隔が2700㎜以内となるようにM12を配置します。

⑥伏図の設定

1階床伏せや2階床伏せ、2階小屋伏せ図、母屋伏図を入力していきます。

2階床は 剛床にするため、甲乙梁を910スパンで縦横に配置していきます。

継手も4m以内で部材と部材の間に入ることになります。

 

屋根の勾配があるため、赤線部分の梁が 2階上部の小屋梁の位置から少し下がって存在することになります。

よって高さの異なる梁間に束 交差点が必要になります。赤丸部分です。

 

⑦柱の寸法と材種や柱頭柱脚接合部の設定

柱の樹種: 杉 種別: 同一等級構成 ひき板積層数: 4枚以上 強度等級:E105F345

柱頭と柱脚金物は 自動計算されて 必要な金物が表記されます。

⑧水平構面の設定

水平構面を設定します。

2階屋根は、構造用合板 垂木ころばし+転び止め 30度

2階床は 構造用合板 4周釘打ち 根太なし

となります。

しかしながら、この設定では、計算を行うと、2階の床の水平構面の耐力が足りず、NGとなります。2階の小屋伏せ図部分の火打ちを増やしたり、吹き抜け部分の、一部をFRPグレーチングを設定して、計算をする必要性があります。

水平構面の耐力が弱いため、斜線部分の吹抜はFRPのグレーチングをいれています。

また梁も全体的には、杉の集成材を使っているのですが、〇部分の梁は、欧州赤松というヤング係数の高い部材に変更しています。

部屋名称は、吹抜けなどは、許容せん断耐力が0となります。

火打ち構面を設定します。

火打ち1本あたりの負担面積は、5m2以下に抑える必要性があります。

 

その他筋交い接合部の設定の設定を行います。

⑨荷重設定と荷重割り増し

また荷重を設定していきます。

屋根(スレート葺き) 単位荷重 390N/m2

軒天(ケイカル板)  単位荷重 150N/m2

天井(石膏ボード)  単位荷重 250N/m2

外壁(窯業系サイディング)  単位荷重 420N/m2

床 (畳 フローリング) 単位荷重 340N/m2

間仕切り壁(石膏ボード)単位荷重 350N/m2

外部袖壁(サイディング)単位荷重 350N/m2

バルコニー腰壁(サイディング)単位荷重 350N/m2

バルコニー床(モルタル塗り)単位荷重 550N/m2

バルコニー軒天(ケイカル板)単位荷重 320N/m2

荷重割り増しは、ピアノや書棚があったり、屋根の上に太陽光パネルが存在していたりする場合、行う必要性があります。その他 天井荷重の設定も行う必要があります。

⑩外力の入力

・建物の最高高さと軒高さの平均を求めます。

(7.993+6.1m)/2=6.81m

地表面素読分はⅢ (通常の市街地)となります。

地震力QEI=Ci×ΣWi×β

Ci=Z×Rt×Ai×Coなどで地震外力の数値を入れていきます。

⑪計算条件設定

計算ルート1を選びます。準耐力壁を考慮に入れます。

※高さ13m 軒高9mを超える場合は、 ルート2 の計算を用います。

ルート2では、ルート1の計算に加えて、層間変形角 1/120以下

剛性率 0.6以上 偏心率0.15以下 です。

耐震等級は3で計算します。

①から⑬の手順を踏んで、設定を行うことにより、構造計算をおこなっていきます。

以下のような軸組と 図面が出来上がってきます。

 

1階床伏せ図です。火打ちをいれます。

2階床伏せ図です。甲乙梁を縦横にいれて、剛床をつくります。

バルコニー部分は 中心の梁であるX10が片持ち梁になっていることがわかると思います。

2階小屋伏せ図です。

さて、木造軸組みです。

 

 

南西からみた鳥瞰です。

北東からみた軸組図です。

これは、最終形となります。

さて、計算後 NGなしの 状況で、さまざまな耐力を検証した状況を明示していきます。

A 鉛直構面

南側開口部が 黄色となっており、鉛直構面(耐力壁)としては、よわいですが、基本的には、耐力としては ギリギリ問題ない状況です。1階部分の東西方向が緑色となっており少し弱いといえば弱いです。(耐力的には、クリアしており問題ないです)

二階の耐力壁は 青色となっており、問題ない状況です。

B 水平構面

吹き抜け部分の水平構面がやはり弱く緑ですが、問題ないです。

 

二階は剛床のため、強い構面となっています。

C 横架材接合部

 

一部 青がでていますが、問題ないです。

 

D 柱頭柱脚接合部

やはり筋交い廻りは 黄色がでており、弱いといえます。

筋交いは 地震力で 動いた場合に、柱脚と柱頭を つく ので、それなりにしっかりと補強する必要があるようです。これで問題ないです。

 

E 土台アンカーボルト

こちらも筋交いの足元で黄色が出ていますが、問題ない範囲です。M12とM16を使っています。

 

 

F 横架材の曲げ

 

この建物の場合は、1階のリビングダイニングが、柱間が8mを超えて、開放的なため(柱がない)、上部梁の曲げが大きくなるようです。緑と黄いろがでています。問題ない範囲です。

G 横架材のたわみ

 

こちらも 曲げと同様に、1階のリビングダイニング付近で たわみが強くなりますが問題ない範囲です。

 

基本的には、柱間が大きければ、大きくたわみます。

H 柱の座屈

1階のLD部分で 1本 存在する柱がありますが、青色となります。

I 土台と梁のめり込み

基本的には問題ないです。

J 耐風梁

吹抜け廻りの梁で、外部に面するところが、一番風荷重をうけるため、弱くなります。

梁せいと材種を 確認して 梁をいれます。

K 接地圧

 

接地圧も玄関廻りは少し弱いが問題ない範囲です。

L 基礎梁(曲げ せん断)

1階の吹抜け廻りの柱で、耐力壁がないところに 荷重がかかるためにその下部の、基礎梁に 力がかかるようです。

 

M 底盤 曲げ

底盤の曲げにしても、1階のリビングダイニング下には 曲げがかかります。

N 屋根ふき材の検定

 

屋根は問題ない状況となっっています。

耐風等級の計算をしている図です。1階の腰半分から上の面積で計算します。

各梁のせいを全体的にわかるように表示しています。オレンジ色が300mm以上の梁せいとなっており、1階のリビングダイニング部分が壁が内部に存在しないため、二階の荷重が梁に多くかかる状況になっています。

北側から見た梁せいです。

360mmある梁せいの位置を緑色で表示しています。その他梁せいとその本数をあげています。

300以上の梁が6本。200以上の梁が6本。基本的には、1階リビングダイニング廻りがせいの大きい梁が必要です。

梁の曲げモーメントの状態です。リビングの柱間が大きいところはモーメントが大きくなっているのがわかると思います。

曲げモーメントを北から見た図です。

 

たわみ量を南側から見た絵です。柱間が大きいところが大きくなることがわかります。

たわみ量を北側から見た絵です。

西側の柱の負担過重です。

北側柱の負担過重

北側柱の負担過重

1階リビングの中心にある柱の負担過重。この柱は、上部の多くの荷重を背負っています。これが折れると二階が落ちてくることがわかります。このような柱は、柱頭柱脚に金物をしっかりと設置することが必要です。1階の柱に2階の柱が直上で存在していることも多くの荷重を負担する要素となっています。

 

キッチン付近の柱の負担過重

 

1階北側の柱の負担過重

 

基礎梁の負担過重です。柱の負担過重が大きいところは、基礎梁の負担過重も大きくなることがわかります。

2階の梁の負担過重

2階の梁の負担過重

2階の梁の負担過重

2階の梁の負担過重

以上で 許容応力度計算の 計算過程と 計算後の 応力等の状態の確認を終えます。

当社は、構造計算のみでの ご依頼も承っております。

費用は、個別にお見積もり致します。ぜひご連絡くださればと思います。

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