2000年の法律の改正について(建築基準法 木造建築物 構造)

■ 2000年の法律の改正について

鉄骨造や鉄筋コンクリート造は、間取りを考える時、柱の位置や梁のスパンを考え、意匠設計者は 構造設計者に、構造計算を委託します。一般的に木造の場合は、小さくて軽いし、建築確認申請の 省略もあり、あまり、今まで 詳しく構造計算を行ってきませんでした。木造は設計者や施工者が、構造計算によって安全性を確認する意識が低い状況が存在しています。しかし、1995年の阪神淡路大震災の影響を受けて、建築基準法が2000年に改正され、木造建築物の仕様規定が大きく改善されてきています。1981年に 新耐震の基準が制定され、それ以前の木造建築物の構造基準は改善されましたが、その後、2000年に 木造建築物の構造基準がさらに改善されたということになります。一般的には、1981年以降の新耐震基準で、建築物は構造的に安全であるという認識がありますが、2016年の熊本地震では、200棟もの木造建築物が倒壊しました。当社の見解としても、1981年以降から2000年までの木造建築物は、構造計算をしてみると、劣化具合を加味して、評点が0.7ぐらいのものが大半であるという認識です。

よって、2000年以前の木造建築物は、上記の構造計算の手法を今一度検証して、構造計算されることをお勧めします。

 

それ以前と変化した内容というのは

①ねじれ 偏心に対する配慮 

 

従来は、壁量計算といって、地震力と風圧力に対して、耐力壁の量を確保する計算がありました。2000年の改正によって、壁量計算による耐力壁の量だけではなく、配置のバランスを考えた設計手法(4分割や偏心率を加味した設計手法)が必要となりました。

②筋交いの敷設

③基礎は鉄筋をいれること

 

布基礎の鉄筋の状態です。

べた基礎です。2000年以前は無筋コンクリートの基礎でも問題なかったですが、基礎は鉄筋コンクリートとすることが決められました。

④柱頭柱脚に 金物を敷設する事

 

N値計算 として、柱頭と柱脚に発生する 浮き上がり金物を算出する計算が、2000年以降 必要となっています。2000年以前の木造建築物では、ホールダウン金物等のすぐれた金物を使っているものは稀であり、基本的には、柱頭と柱脚には金物が存在していません。

という内容です。

令和4年現在でも、下屋部分等の天井を構造用合板にする等 水平構面の敷設という 事柄は 建築基準法で規定されていないことではありますが、 力学的な力の流れを考えると 必要なことであります。

■耐震補強実例

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