神戸市長田区 耐震診断と構造補強(純和風の家)

神戸市長田区において切妻屋根二階建ての木造住宅の耐震診断と補強計画をおこなった。

■調査と耐震診断

住宅の特徴としては、南西部に建物が開き、居間に日照がしっかりと入る居心地の良い住宅です。

二階は、船底天井となっており、数寄屋風の意匠を感じさせ、柱も細めです。

二階は純和風の建築物です。

 

室外洗濯室ですが、柱が1本だけ存在して、二階を支えています。

 

浴室は、タイルの割れが存在しており、劣化と判断されます。浴室はやりかえるとのことでした。

小屋裏部分です。雲筋交いが存在していますが、梁のサイズなどは華奢な印象をうけます。

火打が存在していることを確認しました。また土壁でありますが、梁まで土壁が届いていません。筋交いはなしのようです。

 

平面図です。

 

耐震診断の結果は、評点が、東西方向で0.54 南北方向で0.73となりました。(1階)

重心と剛心の位置が(丸と二重丸)それほど遠くないため、壁のバランス自体は悪くないです。

 

 

建物の構造を検証しますと、1 一階納戸の部屋の柱のない部分に、二階の柱が存在する箇所があります。

 

 

2 一階の寝室部分で二階の梁と桁がかみ合う場所が存在しています。

 

3 室外の洗濯室部分で 柱が単体で存在しています。

構造補強計画

以上のことを踏まえて 構造計画を行います。

 

補強の計画平面図です。評点は東西方向1.17、南北方向1.28となりました。

まず、浴室をやりかえるために浴室の補強を行います。また室外の単一の柱を壁で補強します。

そうすると、北側の壁に対して、偏心がおき、壁の強度の配置バランスが悪くなるため、北側の部屋の柱頭と柱脚を金物で補強していきます。Ⅰ と記載のあるものが平成12年告示の金物による補強です。

また南側寝室部分も金物で補強し、押入は、構造用合板にて補強します。

これで、耐力がでます。

 

二階は、東西方向1.12 南北方向1.66となります。

二階は、まず、南側の柱を金物で補強し、北側の柱も金物で補強します。

二階は金物の補強だけで十分耐力が出ます。

 

北側から見た補強の絵です。寝室部分を壁で補強しているのがわかると思います。また緑色の柱は、金物で補強しているものです。

西側から見た補強の様子です。多数の柱を金物で補強していることがわかると思います。

東側から見た補強の様子です。浴室部分と室外の単一の柱を壁にて補強しています。

 

1 一階納戸の部屋の柱のない部分に、二階の柱が存在する箇所があります。→これに関しては、一階納戸部分の天井を構造用合板にて補強し、二階の荷重が一階に流れる構造を作ります。

2 一階の寝室部分で二階の梁と桁がかみ合う場所が存在しています。→こちらは、寝室部分の天井をめくってみて、どのような梁の架構になっているか検証してから、補強を行うのが良いかと思います。方法としては、1と同じになる可能性もあります。

3に関しては、柱を壁にて補強。

以上、金物を北側と南側の多数の柱に 敷設して、建物の強度を強くする補強計画となりました。その他、構造的に弱いと思われる個所は、詳細な状況調査のもとで、補強していきます。

 

 

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