空き家再生 土間 展示場 付きのシェアスペース(住居 事務所) へ 神戸市長田区駒ヶ林

 

当社所有のこまどりの家のリノベーションです。実際の竣工写真と工事の様子を詳細に記載しています。

2階部分は多目的スペース

1階リビングダイニング

1階キッチン

 

土間共用部

土間

土間

 

 

 

■施設計画 概要

当社が所有している 神戸市長田区駒ヶ林町の 空き家を アトリエ ギャラリー付きの シェアハウスへ 移行。

現状の建物の 状況説明をします。

以前は、地域の食事のできないお年寄りに 地域の元気なお年寄りが食事を作って提供する場でありました。

地域の公民館的な場所でもあります。これを 数年前に 譲り受けまして 再生を模索しておりますしたが、計画を進めました。

西北側からみた写真です。二階が北側は 階高が少し低いのがわかると思います。この部分をギャラリーにしていく予定です。

南側から見た写真です。門が存在します。この門は改修工事を行う場合も残します。ここがメインエントランスになる予定です。

現況平面図(改修前)です。南北方向が12m 東西方向が9mほどある建物です。東西方向の壁が少ない状況です。

また ところどころ下屋となっている構造です。どこに二階がのっていて、どこが平屋なのかを把握することが 最初の実測では重要な作業となります。

改修後の外観です。扉をつけたり、窓を新設したり、屋根をかけたりしていることがわかると思います。


改修後の内観パースです。

先ほど説明した南側が 土間スペースとなり、ここ、もしくは 居間 スペースにて創作活動を行える場所となっています。

この場所は アグロガーデンから 徒歩1分の好立地条件であるため、アグロガーデンにて材料を調達することが容易です。

土間スペースで 絵をかいたり 工作をしたりして、二階の ギャラリーで 創作したものを販売できるようになっています。

トイレは 土間スペース用に一つ、室内に一つ 合計二つ用意しています。アグロガーデンは 食材も豊かで調達できるため、キッチンでの食事にも 支障ないように 材料が調達できるものと思われます。

土間には流しも設置してあります。ここで 楽しく 生活して 地域を盛り上げる活動の一端になれば幸いと考えています。

入居者を募集しています。詳しくは 当社 問い合わせから ご連絡ください。(2021年時点)

■施設計画 改定

その後、設計に改定を加え、地域課題を解決していく施設としての役割も担いたいと考え、設計を改定しました。(2022年時点)共同設計 北川浩明氏

・施設が存在するエリアの問題

長田駒ヶ林地区では、阪神大震災以降特に人口が減少し、高齢化が進み、空き家も増加してきています。人口が減少し、空き家が増加すれば、地域に元気がなくなったり、生活のためのサービスが低下したり、治安が悪くなったりしていることが考えられます。人口が減少しても、活力のある長田駒ヶ林を維持していくために、空き家を新しい時代に必要な施設として、蘇らせていく必要性があると感じています。

・エリアが抱える問題の具体的な解決方法

当社所有の空き家を改修して、クリエーターである利用者がデジタル機器等を利用してモノヅクリをしたり、ギャラリーショップで商品を展示及び販売をしたり、ショップの客及び利用者間の交流を行ったりする場や作業する場、動画配信する場、書籍を備えた図書館的な場、木造建物の耐震構造補強の展示場としての場を提供し、若者を呼んで地域に開かれた場とすることで、活力のある地域社会づくりに貢献し、課題解決を行うこととします。

 

・リノベーションの方法

当施設は、現在地に半世紀以上に渡り存在しており、地域住民からこまどりの家として親しまれています。現在は、年に一度この地域の餅つき大会において利用されるなどして、地域住人の公民館的な施設となっておりますが、老朽化が進み、3年ほど人が住んでおらず、空き家の状態となっています。柱と梁による軸組み工法で、土壁によって構成される伝統的な古民家です。この空き家を再生して、新たな活用をしていくことは地域の賑わいに貢献できるものと考え、有益であると判断しています。空き家の安全性の確保に関しては、構造的な側面において、基礎の新設や、梁、柱の補強、水平構面の補強を含め、耐震性に関わる部分の構造補強を行い、安全性を確保します。

 

・リノベーションデザイン

当施設南側に存在する主出入口部分に瓦門が存在しています。視認性に配慮した地域に開かれたデザインとします。さらに入り口にシェアハウスのサイン計画を行います。

 

 

1階に土間スペースのあるアトリエ、二階にアトリエ兼ギャラリーを有し共用部の充実したシェアハウスになります。一階部分は、古材梁をみせ、床等に木材をふんだんに使い、木の温かみの感じることのできる計画としています。

 

・リノベーション後の運営

二階部分のギャラリーショップにおいて、運営者や当施設の住人であるクリエーターである利用者が作品展示を行い、地域住民に開かれた場とします。具体的には、徒歩1分ほどに存在するホームセンターアグロガーデンにおいて入手した材料等を用いて、利用者がDIYやモノづくりを行う予定です。またその利用者がものづくり等のセミナー、ワークショップを行い、地域住民の生活に関わる利便性の増進を図ります。また、建築やモノづくりに関する書籍をギャラリーショップ等で閲覧可能にすることで、地域住民の福祉の増進も図ります。

 

・デザイン詳細

改修後のデザインとしては、居住利用者と地域住民のメインエントランスを敷地南側中央に設け、居住利用者用としてサブエントランスを一階居住部分西側に設けています。メイン、サブ共にエントランスは扉をガラスにして、施設内で行われていることが通りから見えるようにすることで、地域に賑わいをもたらすような、地域に開かれた場としてデザインします。一階部分北側と西南側に、利用者の居住スペースとして、5室配置しています。北側居住スペースの南側(施設1階中央部分)に、居住者用 台所食堂居間を設けます。食堂居間部分は、利用者の要望次第で、地域に開かれた会議、ワークショップの場としても変容し、普段は利用者アトリエやワーキングスペースとしての機能も保持します。食堂居間部分は積極的に梁を見せ、床等もふんだんに木を用いることで木の温かみのあるデザインとします。一階南東側は、シャワー洗面室トイレとなっており、トイレ部分は土間部分に面することで、居住者以外の利用者も使用できるものとなっています。居住部分南側土間部分は、アトリエとしての機能も備えており、土間作業に適する活動場所であり、地域住民を出迎える場ともなります。二階は、土間より階段を上りあがります。二階部分は、全てアトリエ兼ギャラリーとライブラリーとなります。ゾーニングとしては、一階土間部分とトイレと二階部分は、随時、地域住民に開放された場となり、時折、居住利用者の要望次第で、一階食堂居間部分も地域住民に開放された場となります。一階の居住利用者個室一階二階の地域利用者部分が緩やかに繋がるゾーニング計画としています。

■リノベーション前の現況説明

以下 現在の建物の状況を述べていきます。

室内写真です。北側台所から南側を見た写真です。真ん中の柱が大黒柱となっています。少しねじれて存在しています。

西側の和室の部分です。東西方向に壁がないため 広い空間になっています。

見える柱は Y5X9 Y5X8の柱です。 とくにY5X9の柱が重要な柱で これも同様に取り去れば二階が落ちてきます。

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Y4から南側の部分の写真です。以前はここが居間的な場所として使われていたようです。

外観でもみた門です。ここが出入り口となる予定です。Y4から南側の場所は、解体して土間スペースにし、いろいろ絵をかいたり 作業できる場所にしようと計画しています。

天井がはってあり暗い空間となっているため、開放して ポリカーボエネイトで覆う予定にしています。

階段あがって二階です。
奥の二階です。小屋裏空間になっています。ここは、綺麗に整備して ギャラリーや 写真スタジオにする予定にしています。

■耐震診断


耐震診断を行いました。一階X方向0.29 Y方向 0.57 二階 X方向0.41 Y方向 0.52
特にX方向で 低い数値となっています。東西方向に壁が少ないのが 耐震性を低くしている最も大きな要因です。

北側からも南側からも 東西方向に 倒壊することがわかるかと思います。

■構造補強計画

一階の壁をバランスよく設置して、構造用合板で補強し、金物で緊結することで評点1以上を確保し、耐震補強します。

■敷地地盤調査

地盤調査をおこない基礎の構造計画をする際の 重要な資料を集めます。

スェーデン式の地盤調査です。

地盤調査の方法

①ロッドの先端にスクリューポイントをつけ、調査ポイントに 鉛直に設置します。

②ロッドに5KGの荷重をかけ、スクリューポイントが地盤に沈むかを確認します。沈まない場合は、徐々に荷重をふやします。

5→15→25→50→75kg

③100kgでも貫入しない場合は、荷重は100kgのまま ロッドを右回りに回転させて、25cm貫入させるのに要する半回転数を測定し記録します。

④測定中は、ロッドからの音や感触も記録。

⑤測定終了後、ロッドを引き抜き 付着している土の状態や異常の有無を調べます。

 

 

上記の条件を満たした場合は其の深度で試験を終了します。

 

現場で用いた ロッドと スクリューです。

ロッドを貫入させる機械1です。

 

ロッドを貫入させる機械2です。

実際に家屋の中でロッドを貫入させています。

調査ポイントとなる場所をマーキングした図です。建物の主屋に4か所、下屋部分に1か所となります。

 

ポイント1による調査

地盤面から25cmのところで自沈がみられますが、問題ない範囲とします。深度3.7mのところでN値が20でています。

だいたい、住宅レベルの荷重においては、地中で2~4mあたりで、N値が20でていれば問題なしと考えてよい かと思います。

地層は 砂と礫です。地下水はないようです。

 

地盤調査まとめ

層は 礫、砂 であり、深度3~4m付近で N値が20でているため、問題ないと判断した。べた基礎の施工をおこないます。

構造補強計画と実際の軸組補強工事に関して記載していきます。

 

解体工事と基礎の状況

まず、既存の建物の解体工事を始めました。

建物下には べた基礎をうつことにしましたので、大引きや根太を取り除いています。

どんどん解体をしている様子です。解体の状況を確認しながら、どのようにべた基礎を打つのか 十分検討しています。ここが、この工事の一番肝となるところです。

ちなみに、解体してから、柱の位置が確定したため、この時に最初から図面をおこす作業を一からやり直す必要性がありました。

図面を作成しなおし、平面図に柱位置を記載して、軸組図を作成していきます。

現状をあらわしたスケッチです。石場建ての柱の間にも柱が存在しています。新しく外周部に柱を入れる場合は、土壁をとらなくてはいけません。既存柱の横に柱をいれるだけなので、既存柱の隣の土壁だけを切除したらいいという話もありますが、土壁は全体でもたせているため、すべてを除去する必要があります。

柱が石場建のため、土の上に石を載せてその上にたっています。

ブロック基礎を耐力壁下の基礎としてみるための解決策

床をとると、土台下が一部ブロックであることがわかりました。これでは、土台下の基礎の意味をなしません。

 

 

基礎がブロックです。

 

以前、浴室が存在していたところですが、木刷り下地の壁となっていました。

 

以前、台所であった部分は、土台下が煉瓦でした。

 

井戸が存在していることがわかります。

大黒柱は、地面の上に礎石がのり、その上に立っているという状態で、いわゆる石場建の柱となっています。

西側の壁の柱下もこのような状況で、柱が直接地面の上に存在しています。

北側の壁が土台下がブロック、東側の壁の 土台下が煉瓦であることがわかるかと思います。

西側の壁や、大黒柱等内部の柱は、柱が地面に直接存在しており、北側の壁は、土台下がブロック、東側の壁は土台下が煉瓦造となっており、基礎の構造計画に、かなり工夫が必要であることがわかります。なかなか手ごわいです。

 

建物西側と北側一部が石場建ての基礎。北東側の基礎がブロック基礎。東側の基礎が煉瓦基礎とブロック基礎となっています。

 

現況を十分に考えたうえで基礎の構造計画を考えます。今回のリノベーション工事の肝は、この基礎の構造計画にあるといっても過言ではないほどのなかなか難易度の高い工事といえます。

 

 

模式図です。通常石場建ての柱の耐震改修工事のこの場合は、盛土を通常は大きく取り去り、石場建ての石付近で鉄筋をまき、コンクリを打設する手法を考えます。

他の事例ですがこのような形で石付近までコンクリートを打設します。ただし、ここは海辺であるため、全体をあげたかったことと、コンクリートを打ち、直貼りで床を作ることでコストを抑えたかった、その他、ブロック基礎などの納まりがとても難しいという要因があり、礎石上までコンクリートを打設することにしました。

石場建の柱の基礎の解決策

既存の石場建ての柱は、今回、天井高さが低いのと、海面に近い海辺における土地であるため、できるだけ地面からFLをあげたいという考え方もありました。石場建ての礎石の部分までコンクリートを流すのではなく、その上の部分までコンクリートを図のように流し、コンクリートに埋め込まれた柱は、水を吸うため、いずれ外部から外壁をやり替えるときに切除して、その部分はまたモルタルを詰めるという手法を考えました。既存柱は新設柱に抱かせて、タルキック等でとめつけることで、躯体としては問題なく強い軸組構造体となります。

 

 

基礎は、150mm厚さほどをうちます。打った部分は、外周部で鉄板のせき止めを行い、上部にパッキンを這わせて土台を設置します。立ち上がりはありませんが、耐力壁となる部分の下には鉄筋が存在しているため、鉄筋の基礎が出来上がったといえます。

柱を抱き合わせているのがわかるかと思います。

ブロック基礎の解決策

土台下がブロックになっているのがわかるかと思います。

 

解決策の一つはブロックをとりさり、下部に束をたてて、コンクリートを流し込む手法です。

地面は、土を転圧して、150mmほどの厚みのコンクリートを流し込みます。ただし、この手法は、今回はあまりとっていません。費用がとてもかかるようでした。

今回は、構造計算を行ったところ、ブロック部分の柱の金物が、それほど耐力が必要でないもの(金物い)となったため、ブロック上の土台と下部基礎を図のような金物でつないで補強するぐらいにとどめました。

煉瓦基礎を耐力壁仕様とするための解決策

煉瓦基礎の解決策

現在の煉瓦基礎の横に柱を抱かせて、耐力壁の軸組をつくります。

耐力壁の軸組図です。土台が基礎とアンカーで接続されているのがわかると思います。

上部桁は、桁同士でボルトで接続し、土台は土台同士でボルトで接続することがわかるかと思います。実際は、ボルトはタルキックで接続することにしました。

 

 

 

煉瓦の上に土台がのっています。で、煉瓦の上の土台の横にもう一つ木の軸組をつくり、その土台は、基礎のコンクリートとアンカーでつなぎます。で、煉瓦上の土台はその隣の軸組の木とタルキックでつなぎ、強固な軸組フレームをつくり、耐力壁をつくります。

柱と柱もタルキックでつなぎ、土台も土台とタルキックでつなぎ、土台と基礎はアンカーでつなぐということが、この写真の赤丸からわかるかと思います。

下屋部分と建物の主屋部分の梁の高さの差がかなりありまして,主屋下に梁の追加補強をしなければ、下屋の構造用合板天井補強ができないことが解体後判明しました。

梁下に梁を追加して、下屋部分の梁と構造用合板をつなげて下屋部分の構造体をつくります。

 

二階も間仕切り壁として存在していた土壁を落としました。それにより、柱下の梁が垂れ下がっていたものがだいぶ戻りました。

土壁はとても重いものであるということがわかります。

2階の土壁撤去後、1階の梁の垂れ下がりがだいぶ戻りました。

屋根を取り払ったため、土間部分がだいぶ明るくなっています。

軸組の被害状況

東面壁の煉瓦上の土台と柱が腐食し、蟻に食べられていました。

以前、浴室 トイレだったところも土台がぼろぼろです。カットして再生します。

 

柱も使えないのがわかるかと思います。

西側の壁の柱も大きくかけており、追加で補っていますが、これは補修せざる得ません。

二階からの漏水のために、柱が腐食したものと思われます。梁も腐食していました。ちょうど屋根と屋根があわさるところで、うまく雨水の処理ができていないところはこうなります。

さて、このような解体後の状況を踏まえて、ブロック基礎、石場建て、煉瓦基礎の対応方法は、だいたい練られたかと思います。

ここで、今一度、配筋を入れた状態で、構造計画を考え直し、構造計算をしなおすことになります。構造計画に関しては、コンクリート打設後に今一度記載します。

基礎工事(配筋とコンクリート打設工事 まかせて基礎の構造計画)

部屋の間仕切り壁を耐震壁とするため、その下には、鉄筋のある基礎が存在しないといけません。よって、コンクリートを流し込む前に配筋を行います。

基礎は、四隅に鉄筋を配置し、建物真ん中にも十字に鉄筋を配置することで、鉄筋がしっかりと入った基礎となります。

図のピンク色の部分をみてもらいますと、四隅と真ん中に十字に鉄筋が入る計画となっていることがわかると思います。

鉄筋の配置していない部分は、メッシュを敷きます。耐力壁下の鉄筋の模式図です。

 

壁以外の場所は、メッシュを敷いて、全体的には強いコンクリートとします。

A、B部分に関しては、既存土間コンクリートがあるため、耐力壁下に型枠を組んで、いくらかコンクリートを流し込み、その上の土台と基礎をアンカーでつなぎます。

 

シャワールームとなる部分は平屋のため、軽くメッシュをひいて、コンクリをつめます。

基礎に鉄筋を配筋している様子です。D13@200

べた基礎下には、断熱材が敷かれており、寒さ対策として、有効です。

D13の鉄筋は、上部に壁がくるところに配置されます。

型枠を組みます。居室1のところは、以前から土間が存在しているために壁の下に土間の上にコンクリを打ち、土台下の基礎とする計画です。コンクリを打つ前にアンカーを設置しています。

コンクリートを打設したのちに、既存の基礎が圧力で外側に出てこないように打設前に とめをつくっておきます。

しっかりとしたとめをつくっています。

東側の壁ですが、ブロックの上に土台が存在しているために、上部柱 土台と基礎を接続する金具を設置しています。

こちらは、ブロックを取り除くことができないため、状態と基礎を緊結する簡易な手法となっています。

 

これも、コンクリート打設前に設置していなければ意味がありません。ちなみに、この部位は、N値金物は (い)

となっているため、それほど心配するものではないですが、上部構造体と基礎を結節する手法としては、それなりに有効かと考えています。

道路の使用許可願いを届け出まして、ポンプ車により、コンクリートを打設します。

 

敷地が建物から奥まっているため、管を通して、コンクリートを運びます。

交通誘導員をつけて、近隣対応も行っています。

 

断熱材の上に鉄筋をひいて、その上にコンクリートを打設している様子です。

どんどん打設します。

 

黄色いマーキングをしているのがわかると思います。そのラインにまで打つと計画通りにコンクリートが打てたことになります。

 

金物下にコンクリートが打たれました。 

レベルをとり、表面を平滑に調整しています。

綺麗にコンクリートが打設されました。この部分は、以前の状態が土間コンクリートが8cmほど存在している場所でしたので、

その既存の土間に立上りの基礎を設けまして、その上に土台を設置して、土台と基礎をアンカーで接続しています。

床がきれいに仕上がっているのがわかると思います。

基礎ができたために、もう、パッキンを敷いて、土台を設置しています。

材料も入荷してきています。

■基礎と躯体の構造計画

 

 

基礎の状況です。もともとの伝統木造建築物である北側の主屋に関しては、基本的にべた基礎をうち、耐力壁の下に鉄筋をいれており、鉄筋コンクリートの基礎として、計画しています。その他、主屋以外の平屋の基礎は、無筋コンクリート、南側の別棟2階建ても無筋コンクリートの基礎として計画しています。

1階の耐力壁の状況です。基本的に、東西方向が耐力壁が少なく弱い状況でした。構造計画上は、外周部を構造用合板で作り、内部壁は石膏ボード仕上げとしています。コスト削減と施工上のしやすさも検討してこのような手法としています。

また、東西方向は、筋交いも6か所入れています。全体的に構造用合板を使って耐力壁を作ると、構造用合板の単価が高いため、耐震工事はとても費用があがります。単価の低い石膏ボードを内装壁に使うことによって、構造用合板で耐力壁全体をつくるよりも、40万ほどコストが下がることがここでわかりました。

二階は、床を剛床にして、壁は、腰壁部分を構造用合板を貼っています。

その他は、石膏ボードにより耐力壁をつくっています。

さて、このような 軸組が解体してからでしかわからない建物は、解体後に なんとかして図面を作成していく必要があります。

解体後 以下の 平面図を作成し、構造計算しなおして、軸組図を作成しています。

1/50の柱の位置と間柱の位置を記載した図面です。金物も補強の状況を記載しています。

東西方向の軸組図です。室内間仕切りは石膏ボード貼りとし、筋交いをいれています。

柱は杉、梁は米松、土台は檜を使用しています。

柱は杉にすることにより、費用を抑えることができました。コストカットには材種へ目を光らせておくことも重要です。

南北方向の軸組図です。構造用合板を外周部は使わざる得ません。内部は石膏ボードです。既存の柱に新設の柱を抱かせていることがわかるかと思います。

 

■基礎の上に土台を敷き、アンカーを打設している様子。

南別棟部分の基礎の立上り上に土台を敷き、アンカーを打設しています。

こちらも土台にアンカーがしっかりと入っているのがわかるかと思います。

シャワー洗面室部分も土間コンをいれています。

土台は、基礎の上にパッキンを敷き、その上に設置します。

■ジャッキアップ

二階の床が 傾いているため、少しでも水平にできないかと 一階部分からジャッキアップを行いました。

 

垂れ下がっている梁をあげていきます。この梁は、負担過重が大きいため、中央に柱を設置することにしました。

あげます。

かなり下がっていることがわかるかと思います。

一階から梁のジャッキアップをしたところ、二階の柱が5cmほどあがり、ほぞの抜け等がなくなりました。

■木造の軸組の工事

梁がボロボロだったので切断して、梁を新設しました。

東側の壁ですが、柱の上に梁が存在していませんでした。かなり驚いたのですが、梁を設置しました。

軸組をつくっています。既存の柱に新設の柱を抱かせていることがわかるかと思います。

下屋の水平構面を作るために梁下に梁を設置しています。

腐っていた柱は途中で切断して、柱を継ぎ、半柱をサンドイッチして柱の機能をつくっています。

金物も設置しています。

中央の大黒柱がこの建物の軸組を支えていることがわかるかと思います。

筋交いが設置されて金物も設置されていきます。

 

軸組がどんどん作られていきます。 

こちら、東側のブロック基礎の上の土台と下の基礎を金物でつないでいます。

煉瓦基礎の上の補強をしています。

煉瓦上の土台と 隣に新設した土台をタルキックで抱かせています。強い構造体ができあがります。

金物を各所にいれていきます。

金物とアンカー設置。

梁受けが、頼りないところは、半柱を柱に抱かせて、上部梁を支えます。

 

下屋部分は斜めに梁を設置しています。

■断熱工事

各所に断熱材を入れます。

断熱材を入れて、内装壁は石膏ボードを貼ります。

各室もたっぷりと断熱材をいれます。防音効果もあります。

 

■水平構面の補強

水平構面の補強は、鉛直構面と同様に重要です。

以下、構造体のモデル図ですが、しっかりとしたボックス型の構造体をつくることで、地震時に上部の力が下部耐力壁(鉛直構面)にながれ、それが、基礎部分に流れることで、地面に荷重を伝えるようになっています。

 

さて、今回は、二階の床を剛床としていますが、下屋部分の天井にも構造用合板を貼っています。

 

北側からみた下屋部分の天井の剛床の様子です。これで、二階の重量が 二階の床と下屋部分の天井を伝わって、一階の耐力壁に流れ、その力が、地面の基礎に流れる仕組みが出来上がりました。

天井部分は図のように 構造用合板を12mmで敷設しています。下屋部分の梁と主屋部分の梁に段差が大きいところは、主屋部分の梁の下側に梁を追加して、下屋部分に天井を貼れるようにしています。

下屋部分の水平構面を作っています。

既存の梁に新設の梁を追加し、天井をつくります。

水平剛性を作っています。

石膏ボードを貼ります。

 

あとは、クロスを貼ったり仕上げの工事に入ります。ここまでくれば、とりあえず一安心の工事となります。

 

■二階部分

 

二階部分の床を地を組んで根太を貼っていきます。

間に断熱材をいれ、防音も兼ねます。

どんどん床を組んで水平な床を作ります。

隅側にもきれいに根太を入れていきます。

床がはれたら、壁に合板をはり、構造体を作ります。

 

これで二階もできあがりです。

躯体工事が完了しましたので、あとは、壁にクロスを貼り、床にシートを貼り、水回り機器を入れて、扉等の建具も入れていき、家具を入れて完成します。

■建具 家具工事

建具を入れていきます。

既存の高さにあうように、カンナで家具を削り、高さの調整をしていきます。コンクリート土間が少し水平でないため、その凹凸の調整をしていきます。

近くのアグロガーデンで購入した天板をはめていきます。

天板にオイルを塗っていきます。

キッチンカウンターを作成しました。

テーブルカウンターです。

脚の部分です。

脚の調整をしています。

振れ止めのため、テーブル下に箱をこしらえました。間に柱が存在しているテーブルのため、テーブルの脚を基礎と固定するだけでは、よくないです。いろいろと検討しましたが、箱をこしらえてもらい、上部と下部をしっかりと固定することにしました。

下部は掃除機入れになっています。

1階リビングの様子(西側から東側をみる)

 

1階リビングを見る(西側から)

■その他 土間工事 二階前室 室内工事 屋根工事等

土間スペース 西側 手洗い付きです。

土間スペース北側

土間スペース南側

居室2北側

居室2南側

居室1南側 階段下収納となっています。

居室1北側

 

 

二階前室

二階前室

屋根の葺き替えも行った。

土間部分上部は、トップライトを設置した。

 

  下屋分は軽量瓦を用いた。

以前の瓦の下地が 雨漏れで だいぶ傷んでいたため、この際 やり替えを行うものとした。

毎日無料相談実施しています!

弊社では住宅診断、耐震リフォーム、デザインリフォーム、新築注文住宅等、幅広くご相談に対応させていただいております。相談は一切無料です。また弊社では、個人のお客様だけでなく、リフォーム等される法人の工務店様へ構造的な側面からお力になれます。お気軽にお問い合わせ下さい。