木造賃貸アパート改修計画 (神戸市近郊 空家再生) 

これからの木造賃貸アパート改修計画をまとめてみました。これは、神戸近郊の木造賃貸アパートを再生していくことで、エリアをリノベーションし、よりよい街にしていこうという当方の事務所のプロジェクトです。
木造賃貸アパート改修計画は、木造賃貸アパートを重要な社会資産としてとらえ、再生することを目的に掲げた計画である。木造賃貸アパートは、戦後の経済成長や人口増加を背景に大量に建設され、日本社会を支えてきたインフラであり、東京や大阪をはじめとした日本の都市部に数多く点在し、建っている。ところが、こうしたアパートは、老朽化、空家化、災害時の脆弱性など、さまざまなリスクを抱え、周辺環境に悪影響を与える空間装置へと変質している。家主や住人の高齢化、未接道による再建築不可、家賃の低さによる経営困難など様々な障害があり、正常な更新が妨げられている。しかしながら、すでにそこにある大量に点在しているという点に着目し、木造賃貸アパートの状態を好転させることができれば、個体の周辺環境をより良いものにするだけでなく、大きな範囲で エリアをよりよいものにすることができるかもしれない。

家賃をさげるしか方法がないと思われてきた築古のボロボロ物件を、相場より高い価格帯で貸せる改修計画。
① 圧倒的な数 存在する木造賃貸アパート
主に戦後の経済成長時代を通して、都市への大量の人口流入に応じて建設された比較的新しいタイプのすまいであり、古民家や京町屋のように歴史的な価値があるものではない。敷地に余裕のある民間オーナーが、安価で効率的な方法で建設し増えた。1970年前半の東京都区内のモクチンは87.7万戸あり、全戸数の37.7%を占めていた。戦後の焼け野原から50,60年代を経て、木造賃貸アパートが住まいの主流として爆発的に増えとてつもない量となり東京を埋め尽くしていた。2013年時点では、東京全体で30万5000戸存在している。大阪府で10万9600戸、神奈川県で21万4500戸。依然として大きく残存状態。

② 多数の地主がつくるまち
高密度化していく都市で、膨らんでいく人口に対し、狭い土地を有効に活用しながら、家賃収入を稼ぐ方法が発達。
雑誌 都市住宅において、立地と敷地のタイプが分けられている。
⑴ 庭型 ⑵御神楽型⑶大家吸収型⑷別所有型⑸開発型

木造賃貸アパートベルト地帯
地方から集まる人口を受け入れる器を、まちなかの余った小さな空間から創出する方法がもとめられたのです。戦後の圧倒的な住宅不測の中で、国による公営住宅の建設は理想的なものとはいえず、モクチンが大きな役割を担い、国による住宅政策を補った。日本の都市空間は、民間セクターの力によって形成されてきた。東京でいえば、山手線の周辺エリア

木造賃貸アパートの生産
生産は、大工、不動産会社、中小オーナーの三角関係により体制が組織化されて、土地の大きさ、敷地形状、建設コストなどの条件が加わることにより、個別の土地に対するアパートの最適解が決定されてきた。こうした木造賃貸アパートを可能にしたのは、木造在来工法という大工が発展させてきた構法体系がベースにあったからだといえる。木造賃貸アパートは、戦後の日本が近代化を成し遂げるために必要なすまいとしての条件を満たしたある種画期的な発明であった。

③ 木造賃貸アパートの抱える問題点

⑴ 木造賃貸アパートの間取り
典型的な片廊下型や中廊下型のモクチンの特徴は、最低限の間取りと設備を持つ個室が効率よく配置され、それらがリニアにつながった単純な構成にあります。各個室が廊下に面し、直接的に外部と接続されていることが特徴である。廊下には、極限的に狭い個室に納まりきらなかった洗濯機、傘、ポリバケツ、自転車、仕事道具など個人の所有物が廊下にあふれ出し、占有している様子である。古き良き住まいにあった周辺地域との関係性を調節するような、土間や縁側などの建築的な装置は、木造賃貸アパートからは消滅している。遮音性能の欠如

⑵ 木造賃貸アパートの構造と木造密集市街地  災害への脆弱性
建設が、1981年以前の物がほとんどであり、現況の耐震性能をみたさない。また、木造密集市街地は、延焼により大規模火災に発展するリスクが高く、断熱性がわるく、光熱費用も他地域と比べ2割増し。防災性の意識なく作られてきた。
→不燃化対策  神戸市の補助金 建て替え 解体をうながす。

⑶ 人口減少時代への木造賃貸アパートの悪循環
人口減少時代に入り、需要と供給がミスマッチしてきている。モクチンも空家や空き室の問題を多く抱え、多くのオーナーや不動産会社も苦しんでいる状況が存在している。

劣化すれば、家賃が下がるシステム。
絶望的な負の遺産をどのようにして扱うのか。

割れた窓から、つながりを育む空間装置としてどのようにして都市の新たな見取り図を手に入れることができるだろうか。

解決策
←セーフティネット制の活用 民間の木造賃貸アパートを半公的な住宅へ
国土交通省の住宅確保要配慮者賃貸住宅改修制度を利用して、木造賃貸アパートを、現在の建築基準法に対応した避難、防火、耐震等災害に強い建物にする。補助金は戸あたり最大100万円が可能。

エリアリノベーション 福祉転用が一つの回答。介護施設や社会福祉法人と連帯して、福祉施設への転用や、何か体に不自由があった場合に、福祉施設が対応してくれるような体制を検討できないかと考えている。これからの住まいのあり方とは、身近に病院や、介護施設があったほうが良いと思われる。

ただ単に個別の改修を行うだけでなく、面的に協同した体制をとり、人がつながり、何か起こった時にも、だれかが助けてくれるような街の在り方を模索していきたいと考えている。

参考文献 017年7月20日発行 モクチン企画著 モクチンメソッド

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