高橋利郎 耐震技術者 (木造 鉄骨造 RC造)
高橋利郎は、鉄骨造 RC造 木造の 耐震改修技術者です。
建築防災協会の、講習をうけております。
以下 RC(鉄筋コンクリート造)の講習を受けた際の、内容を記載いたします。
学校の耐震改修は、ほぼ終了し、これからは、病院と共同住宅が主流になりそうです。
理論的な構造計画の話と、実際の施工上の話が おこなわれました。 主幹は東大のコンクリート構造の壁谷澤先生によるもの
①内陸直下地震は大きいのが10年に一度は起きているため、充分気を付けないといけない。 直下地震とは、阪神淡路の震災や、6月の大阪北部地震等、断層による地震です。
②基準となる数値はIs値 0.6以上 これを目標に設計を行う。計画としては、強度抵抗型と靱性抵抗型があり 建物の強さに依存するか粘りに依存するかそのあたりの按排を検討して計画を行う。
③2014年に体育館の特定天井がずれ落ち、被害があったが、天井材の接合等耐震改修とともに気を付けないといけない。
④現在診断法は3次まで存在するが、3次が必ずしも、2次より精度が高いということではないということ。 2次診断は 柱崩壊型想定 3次診断は 梁崩壊型考慮 ということであった。 崩壊する際に、柱が崩壊するものと、梁が崩壊するものが存在する。
⑤診断と改修の流れ 設計図書の有無→診断用図面作成→劣化状況調査→材料調査 コンクリ強度 コア抜き 鉄筋探査 → 診断結果 診断でアウト(Is値 0.6以下) → 平面 立面 断面 軸組図 部材寸法の整理 → 計算 モデリング解析 → 補強案検討 →補強計画立案
⑥補強を行うには、鉄骨によるブレース補強と柱の炭素繊維巻、壁の増設が主流です。 せん断と曲げ、接合部破壊が存在し、接合部破壊がおこらないように鉄骨ブレースと柱梁の接合部等にアンカー筋を用いる。
⑦1995年兵庫県南部地震の教訓から、国家の政策として、耐震化がすすめられてきた。その後東北地方太平洋沖地震が起き、耐震補強済みの建物がきわめて大きな地震動を 経験した。補強済み55棟を分析すると、小さな被害は見受けられたが、耐震補強することによって甚大な被害は防止できること が確認された。 被害のあった建物は、ブレースの補強にバランスの悪いものがみられ、補強には 当然のことであるが、バランスが大切であるとの再認識であった。
受講の印象は、木造、鉄骨造、RC造とすべて技術者講習を受けてきましたが、木造とRC造は、耐震改修できるものは、行うべきで まだ、鉄骨造に比べて、、やりやすいと思われました。 鉄骨造は、接合部の溶接とボルトの状態をきちんと把握したり、ブレース補強するにも、廊下として使用できなくなる要素が多く、なかなか補強までして、使用するメリットは対費用効果を考えても少ないですが 木造とRC造は、意匠的な側面と構造的な側面と両方加味した バランスの良い計画を行っていくことが正しいと思われます。