木構造 各部材の構造的役割(木構造講座⑦) 木造建物

 

木構造は,軸組,鉛直構面,水平構面の3要素から構成され,それぞれが接合部によってつながる。それを基礎が支持する。
軸組は,鉛直荷重を支持するだけでなく,耐力壁,及び水平構面の外周に作用する圧縮力や引張り力に抵抗する役割も担う。また,外壁面では風圧力にも抵抗する。鉛直構面とは耐力壁のことで,これは建物に作用する水平力に抵抗する。但し、耐力壁が有効に作用するためには,水平構面が耐力壁より先に破壊しないことが前提条件となる。
水平構面とは,床組及び小屋組みのことで,鉛直荷重を支持する他に,建物に作用する水平力を耐力壁に伝達する役割も果たす。一般に木造の水平構面は柔らかい為、耐力壁と水平構面に剛性のバランスを図ることが重要である。
接合部には力の伝達を行う重要な役割があり、建物全体の構造性能に大きく影響する。

基礎の役割
基礎は地盤と建物をつなぐ重要な接点で,建物重量の鉛直荷重や水平力を地盤に伝達し,不同沈下を防ぐ役割を果たす。地盤の地耐力は,ボーリング等の地盤調査の結果から推定できる。木造住宅の場合は,重量が軽い為,基本的にべた基礎か布基礎を採用する場合が多い。
基礎立ち上がりや根入れ部分は,構造的にはどちらも地中梁と考える。地中梁は,建物の足元がバラバラに動くことを防ぎ,特にべた基礎においては基礎の剛性を高める。従って、梁は連続していることが大原則で,通気口などであまり切らないようにする。

土台とアンカーボルト

アンカーボルトは建物と基礎をつなぐ重要なパイプ役である。主に水平力がかかった時に,建物のズレや浮き上がりを防止する。このアンカーを,耐震補強時も取り替え時に、忘れずに打設することが重要である。

柱の役割
①鉛直荷重を支持する②水平力に抵抗する③耐力壁の外周に作用する圧縮力や引っ張り力に抵抗する④風圧力を受ける外壁面では外壁面の変形を防ぐ

梁 横架材の役割
①床などから伝わってきた鉛直荷重を柱に伝達する②耐力壁及び水平構面の外周枠材として水平荷重時に生じる引張り力や圧縮力に抵抗する。③外壁に面した吹き抜けがある場合に風圧力に抵抗する。

耐力壁の役割
耐力壁は,建物が水平力に抵抗するために最も重要となる構造要素である。場合によっては鉛直荷重も支持するが一般的には考えない。建物の水平抵抗力を確認する方法としては壁量計算がある。これは、耐力壁の水平抵抗力を壁倍率で表し,地震力と風圧力に求められる必要壁量を満足することで建物の耐震性を確保するものである。

壁量の考え方

耐力壁の抵抗メカニズム

耐力壁の種類

水平構面(床組 小屋組み)の役割
①人や家具などの鉛直荷重を伝える②水平力を耐力壁に伝達する。
床組は、実際には火打ち梁を設けたり,構造用合板をはることで性能を確保するが,厳密に言えば床板を留める釘の径と打ち込み間隔,及び根太の梁へのかけ方も関係する。
また、柱と横架材の仕口も性能に影響を及ぼす要因となる。

小屋組みも,基本的には床組と同様の役割を担うが,勾配があるため特に水平力に対しては小屋梁や桁梁を含めた小屋組み全体で考える必要性がある。特に屋根面にかかる水平力は,2階の耐力壁で抵抗するので,2階の耐力壁は屋根面まで連続している必要性がある。

接合部の役割

接合部には、異方向部材をつなぐ仕口と,同一方向部材をつなぐ継ぎ手がある。役割としては,①鉛直荷重を確実に伝達する②引っ張り力に対して部材が抜けないようにする。という二つがある。部材間の力の伝達をスムーズに行えるように接合することが,木造において最も重要な事である。


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